※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
アメリカ西海岸のミュージシャン、David Pack (デイヴィッド・パック)が1985年にリリースした1枚目のアルバム『Anywhere You Go』の1曲目に収録。
デイヴィッドはソロとしてのキャリアの前に、アメリカン・ロック・バンド、アンブロージアを率いていましたが、初期はどちらかといえばプログレ寄りのサウンドを追求していました。この頃の作品は、メタルファンにも違和感なく受け入れられそうです。
次第にAOR指向の音楽性に変わっていき、ヒット曲「Biggest Part Of Me」などを生み出していきました。この辺りはAORの基本として、広く知られていますね。
82年にアンブロージアが解散した後、デイヴィッドはソロ活動を始動しましたが、このソロ作がリリースされた85年といえば、AOR系はほぼ壊滅状態でした。その中でこれだけのクオリティの王道AOR作品が登場したのは、奇跡に近いですね。
そんな時代背景やデイヴィッドのこれまでのバックグラウンドもあり、典型的なAORでありながらも、アルバムの随所にロック寄りのテイストも感じられます。参加メンバーには、カンサスのジョン・エレファンテの名前があったりしますね。
今回紹介するアルバムタイトル曲「Anywhere You Go」は、アーバンな雰囲気を漂わせたアレンジと、心に染み渡るメロディが俊逸な素晴らしい楽曲で、アルバムのオープニングを飾るに相応しいですね。
ディストーションギターのバッキングやギターソロもフィーチャーされ、比較的メタルファンでもとっつきやすいのではないでしょうか。
そして、デイヴィッドの深みを湛えながらも突き抜けるようなハイトーンヴォイスを、存分に堪能できます。
楽曲の共作クレジットにTOTOのマイク・ポーカロが挙がっているだけに、産業ロック、メロハー好きなら必ずチェックしておきたい1曲だと思います。
ぜひ、一度聴いてみてください!
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