※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新曲をご紹介します!
イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、KK'sプリースト(KK's PRIEST)が、デビュー・アルバム『Sermons of the Sinner』のリリースに先駆け、新曲を公開しました。
元ジューダス・プリーストのKKダウニングが、”KKのプリースト”を引っ提げて、遂にメタルシーンに帰還!2011年のKKジューダス脱退の一報は、決して友好的ではない別れを示唆するもので、衝撃と悲しさに包まれました。ジューダス本体は、KKのクローン的なリッチー・フォークナーを迎え、バンドを立て直すどころかパワーアップしていきます。
一方のKKは、所有するゴルフ場の破産という不穏なニュースに始まり、続いてグレン・ティプトンのパーキンソン病によるツアー不参加の代役を巡り、自身に声がかからなかったことで、バンドを批判する始末。。ジューダスへの未練を滲ませる中、やけを起こしたのか、本当に金銭に困ったのか、命の次に大事であろうジューダス時代のギター、アンプをオークションに出品。。さらに130曲以上のジューダスの音楽出版権を売り出すなど、両者の立場はあまりに対照的な様相を呈していました。
そうした最悪の展開を経て、再びKKがギターを手に取り、自身のメタルを奏で始める状況を、まずは素直に喜びたいですね。 KK’sプリーストのメンバーですが、元ジューダス・プリーストのティム・リッパー・オーエンス(Vo)、ホスタイルのA.J.ミルズ(G)、元ヴードゥー・シックスのトニー・ニュートン(B)、元ジューダス・プリーストのレス・ビンクス(Ds)の布陣となっています。ただし、レスが体調不良のため、レコーディングではデスライダーズ/ケージのショーン・エルグにチェンジしたのは残念です。
さて、肝心のサウンドですが、今回先行でストリーミングとMVで公開された「Hellfire Thunderbolt」は、アルバムではイントロに次ぐ2曲目に収録され、徹頭徹尾2バスに乗せたリフで押し捲る、スピード感溢れる正統派メタルチューンに仕上がっています!
イントロのKKの叫ぶようなアーミングから始まり、リッパーの強烈極まりないスクリーミングシャウトだけで、掴みはOK!ですね。ジューダス脱退後は今ひとつパッとしなかったリッパーですけど、ここでは鬼気迫る流石のヴォーカルパフォーマンスを聴かせてくれます。
面白いなあと感じたのがドラムパートで、強すぎない音圧やオーソドックスなオカズが、いい意味で今風でなくオールドスクール風にナチュラルなテイストを醸し出している点です。ギターの音創りも同様のことが言えるかもしれません。アンディ・スニープ辺りの音創りは素晴らしくても、どのバンドも同じように聴こえてしまいがち。KK’sプリーストには、むしろより個性を感じますね〜。
正直楽曲にもう少し叙情性があって欲しかった気がしますけど、ギターソロのツインギター周りはメロディックですし、他の収録曲(タイトルに”Priest”とか”Sentinel”とか、意味深ですねえ)にも期待したいところです。いずれにせよ、もう失うものはない!と言わんばかりの開き直りが、いい方向で作用しているように聴こえるので、メタルを愛する者なら素直に楽しめるでしょう。またアルバムが出たときにレビューしたいですね!
聴いてほしい度88%
MVはこちら!