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【新作レビュー】 KK'sプリースト(KK's PRIEST)「Sermons of the Sinner」

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2021年10月1日、イギリスのヘヴィ・メタル・バンド、 KK'sプリースト(KK’s PRIEST)の1枚目のアルバム『Sermons of the Sinner』がリリースされました。

 

9月はアイアン・メイデン一色でしたが、10月のHM/HRシーン最大の話題盤はKK’sプリーストですね。以前アルバムに先駆けた先行楽曲を5月にご紹介しましたので、実に5ヶ月ほど経過して、待望の全曲が届きました。

ストリーミングでは10月1日のお昼頃にアップされた通知がきたので、よっしゃ〜と早速数回リピートしてみました!先行曲のレビューでは、KKダウニング復活!の喜びもあり、今読み返すと手放しでベタ誉めしてるんですけど、アルバムを通して聴くと、いい面と今ひとつな面、両方を感じましたので、少しまとめてみたいと思います。

 

まず、素直によかったなあ〜と感じたのは、KK渾身のギタープレイによるリフやアーミングだからこそ醸し出せる、そこはかとない”ジューダス・プリースト感”があちこちに滲み出ているところです!当たり前ですけど、ジューダスの50年に及ぶ歴史を創ってきた、当事者の指から放たれる1音1音の重みには、説明不要の説得力を覚えずに要られません。

 

ジューダスに対して、いい意味でライバル意識むき出しの方向性にフォーカスしているのも、むしろ潔く思えますね。各曲のタイトルなんて、どれもニヤリとしてしまいますが、何せジューダスを生み出してきた張本人ですから、誰も口を挟めないでしょう。

 

また、想像以上に、比較的ノリが良く疾走感のあるマテリアルがズラリ揃っているのも好印象でした。SEからの前半3曲は息をつかせない抜群の流れですし、後半にギアチェンジしてアップテンポの楽曲を再び配置した構成もいいですよね。

 

逆にアルバムを通して、ちょっと気になった点を幾つかあげると、、、まずドラムの軽さとフレージングの単調さです。先行曲の時に、ドラムのサウンドナチュラルで、アンディ・スニープ辺りが作るカチカチな音色と違って耳触りがいい、みたいなことを書いて、その考えは今も変わりません。

 

ですが、全編聴いていくと、ちょっと軽すぎて何か物足らないように思えてきました。その要因として、オカズのフレージングがとにかくひたすらにダサい(汗)。”タカタカトコトコ”みたいにワンパターンなタム回しが頻発し、だんだん辟易してきます。もっとヴァリエーションをつけるか、逆に余計なオカズなんていらないですよね。レス・ビンクスであれば改善されたかも?しれません。

 

さらに、ティム・リッパーオーエンスの歌唱も、ロブを終始意識し過ぎて、全編聴いていくと歌唱のヴァリエーションと味わいに乏しく、あれ?こんなんだったっけ?と疑問を感じ始め、段々聴いていて疲れてきました。逆にロブの凄さ、魅力を改めて認識させられた次第です。そんなこともあり、8分超えの長尺の2曲辺りは、飽きずに最後まで聴き通すのが結構厳しいと感じました。

 

色々正直な印象も書いてみましたが、本作が普通に優良な正統派メタル作品であることに変わりはありません。今後ライヴパフォーマンスがどうなっていくのか、日本でいつか実現するのか、注目していきたいところです!

 

最も疾走系のタイトル曲「Sermon of the Sinner」も気に入ってるんですけど、今回ピックアップした「Sacedote Y Diabloは、ジューダスの十八番と言えるリフのパターン、適度にドライヴするテンポ感と、安心してヘッドバンギングに身を委ねられる真性ヘヴィ・メタル・チューンです!中間部はどことなく「PainKiller」を彷彿とさせますし、ツインギターやアーミングプレイも存分に堪能できますね!

 

聴いてほしい度

83

Sacerdote Y Diablo

Sacerdote Y Diablo

  • KK's Priest
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバムはこちら!

Sermons of the Sinner

Sermons of the Sinner

  • KK's Priest
  • メタル
  • ¥1528

 

CDはこちら

Sermons of the Sinner

Sermons of the Sinner

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