※誰が聴いてもヘヴィ・メタル!な楽曲を紹介していきます!
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、クイーンズライク(QUEENSRYCHE)が、1986年にリリースした2枚目のアルバム『Rage for Order』の10曲目に収録。
ここ数回は、クイーンズライクの最新作『Digital Noise Alliance』の発売にちなんで、クイーンズライクに関連した楽曲を取り上げていきます。
80年代も後半に差し掛かり、世紀末まで少々遠いとはいえ、その足音が少しずつ感じられ始めた頃でした。世の中では”デジタル”化が次第に浸透し、例えば、シンセギターや電子ドラムなど、楽器の世界にもデジタル技術が使われ始めました。
そんな時代背景において、保守的なHM/HRの世界においても近未来を意識、標榜した作品が幾つも生み出されました。中でもクイーンズライクの『Rage for Order』は、近未来のヘヴィ・メタルを具現化した代表的な作品です。
同時期では他にも、ジューダス・プリースト『Turbo』、アイアン・メイデン『Somewhere in Time』等、賛否両論を呼んだアルバムが思い浮かびますね~。それらも時代を彩った優れた作品ですが、未来のメタルと大上段に構えてもシンセギターの導入程度で、表層部分のアレンジをそれっぽくした印象でした。
対してクイーンズライクは、表層にとどまらずに楽曲、演奏、アレンジすべての面において、徹底的に試行錯誤と挑戦を重ね、誰も到達し得なかった近未来型の真にプログレッシヴなメタルを見事に結実させています。
発表から35年以上の歳月が流れても、全く古さを感じさせないどころか、今ストリーミングで繰り返し聴いても、その先鋭的な内容には驚愕させられるばかりです。本作が『Operation Mindcrime』に何ら劣らない名作であることは、自明の理と言えるでしょう。
今回ピックアップした「Screaming in Digital」は、”デジタル”の文字が入ったタイトル通り、無機質で機械的なテイストをまとった曲調で、得も言われぬ緊張感と近未来的なイメージが漂う、個性派ヘヴィ・メタル・チューンです!
奇しくも今回の新作にも”デジタル”というワードか冠されていますが、この世界観を80年代後半の時点で完璧に表現しているのは称賛されるべきでしょう。89年の来日公演で披露された際のパフォーマンスも鬼気迫るものがありました。
ぜひ、一度聴いてみてください!