※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
ドイツのスラッシュ・メタル・バンド、クリーター(KREATOR)が、1990年にリリースした5枚目のアルバム『Coma of Soul』の2曲目に収録。
ラウドパークでの来日が迫ったミレ・ペトロッツァ率いるクリーター。来日毎に凄まじいライヴパフォーマンスを見せてくれる彼らですが、93年の初来日公演だけは今ひとつだったなあ、、という苦い記憶が残っています。
ちょうど問題作『Renewal』に伴うバッドタイミングでしたからね。。あの頃は、クリーターの先行きを危惧したわけですが、長きバンド歴史の中でそうした低調な時代は短く、スラッシャーの期待に応える良作を生み続けているのは、驚異的といえるでしょう。
とりわけレーベルがノイズ時代の初期作品には思い入れ、評価ともに集まるところですが、これまでストリーミングでは丸ごと未解禁で、ジャケットと曲名だけが「解禁待ち」状態で掲載されていた。以前はそんな理由で後期の楽曲をご紹介してましたね。
ところが最近になって一連の作品が無事解禁!されました。専門誌一桁得点ゲット(笑)の「Flag of Hate」も無事聴けます。そうした未完成期の激烈作も勿論大好きなんですけど、個人的には『Coma of Soul』がとりわけ好みで、一番繰り返し聴き込んだ作品ですね。
作を追うごとに演奏面、楽曲面ともにクオリティを上げ続けたクリーターでしたが、本作では広義なHM/HRファンにまでアピールできるレベルに到達したように感じました。次作でのインダストリアルな方向性を前に、初期スラッシュ時代の集大成とも位置付けられるでしょう。
何より激烈さはそのままに、クリーター史上最も覚えやすいメロディが導入されのがいいですよね。ミレもあの強烈なヴォイスでメロをしっかり追ってますし、ソドムから新加入したフランク・バックファイアのギタープレイもメロディが息づいています。ヴェンターのいい意味でリズムが突っ込みまくるドラミングも最高ですね。
そして、ランディ・バーンズのクリアでタイトな音像が素晴らしい!昨今のアンディ・スニープのように音圧を掛けまくって作りこみ過ぎず、人力を感じさせるオーガニックな要素が残っているのがいいですよね。ドラムの音作りの違いは顕著にでしょう。
どの曲もいいんですけど、今回ピックアップしたタイトル曲の「Coma of Soul」は、そうしたある種のキャッチーさと激烈なクリーターにしかなし得ない激烈さを同居させたスラッシュ・メタル・チューンです!
イントロの変則的なリフ、曲中の激速リフと、終始印象的に刻まれるリフ攻撃はお見事ですね。シンプルなのにクセがある、よくこんな面白いリフを次々と思いつくなあ~。
ぜひ、一度聴いてみてください!