※80年代中心にハマりまくったジャパメタあれこれを紹介していきます！
日本のハード・ロック・バンド、 サブリナ（SABRINA）が、1986年にリリースした1枚目のアルバム『Sabrina』の6曲目に収録。
今では雨後の筍のごとく、次々と登場するガールズ・メタル系のバンド達ですけど、80年代のジャパメタムーブメント当時に、それなりの知名度のあるオール女性によるバンドは片手で足りるほどでしたね。
のちにメジャーでブレイクしたSHOW-YAは別格として、すぐに思い浮かぶのが、関東のライヴシーンに華を添えたフライング・ヴィジョン、ジェット・メイビーあたりでしょうか。比較的キャッチーでルックス重視の前者と、ハードなロックンロールで本格派の後者でしたが、ロクF辺りの露出から、さらなる全国区での活躍が期待されていました。
ところが時代が追い付かなかったのか、バンドの実力不足もあってか、メジャー進出が叶わない中、フライング・ヴィジョンのシンガーだった田中 志摩子だけが、新バンドのフロントウーマンとしてメジャーデビューしたのが、このサブリナでした。
仕掛け人はイースタン・オービット等でお馴染みの中島 優貴（Key）で、フライング・ヴィジョンとしてのデビューを模索しつつも、最終的に田中だけがピックアップされた、、というメジャー契約あるあるの状況だったようです。
もし演奏に問題があるなら、バックをスタジオミュージシャンにしてでも、フライング・ヴィジョンとしてデビューさせた方が引きがあったように思えますね。。
中島は多くの作詞・曲も手掛け、一部作詞はアン・ルイスや田中のクレジットがあります。その他メンバーにはギターに高橋彰のクレジットがありますが、元アンセムの小柳彰史と同一人物ですね。
さて、机上で”狙って作られた”サブリナのサウンドですが、田中の伸びやかなヴォーカルと中島のデジタル風味のあるシンセをフィーチャーし、キャッチーでポップ、ときに憂いのあるハード色薄目なロックに仕上がりました。当時流行ったレベッカ辺りを意識したんでしょうが、ハード・ロックなのか否か、どっちつかずに売れ線を狙った珍品といえるかもしれません。
今回ピックアップした「スマイリング/SMILING」は、アルバム中で最もポップフィーリング溢れるメロディアスな歌謡ハード・ロック・チューンです！もしシングルカットするならこの曲がベストでしょう。
結局、方向性の迷走ゆえか本作のみで自然消滅してしまいます。田中の伸びやかでクセのない聴きやすいヴォイスは一聴の価値があるので、黎明期のガールズメタルの記録としても触れてほしいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください！
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