※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、 イット・バイツ(IT BITES)が、1989年にリリースした3枚目のアルバム『Eat Me In St.Louis』の日本盤1曲目に収録。
80年代当時、本場イギリスから登場した、新世代の有望なプログレバンドとして注目されたイット・バイツ。確固たるテクニックを持ちながらも、キャッチーでブリティッシュ・ポップとさえ言えるとっつきやすい楽曲と、イケメンのフランシス・ダナリー(Vo、G)、中性的なジョン・ベック(Key)を始め、ルックスに恵まれ、女性ファンにアピールできる要素もありました。
HM/HRを聴き込んでいた筆者が、イット・バイツを聴くのはちょっと出遅れて、確か『Eat Me In St.Louis』をたまたま新作で買ったのがきっかけでした。その楽曲のオリジナリティと多様性、ミュージシャンシップの高さに打たれ、すぐさまお気に入りのバンドの仲間入りをしました。
後々ルーツを探っていくと、プログレの先人であるジェネシスやイエス等からの影響を理解できますけど、まだ当時20代だった彼らが、80年代にリリースした3作のアルバムの完成度には、今聴いても驚かされるばかり。大英帝国のアーティストの層の厚さを感じずにはいられませんでしたね。
アルバムとしては、2枚目の『Once Around the World』の完成度が随一でしょうが、イット・バイツとの出会うきっかけとなったインパクトが忘れられず、今回は『Eat Me In St.Louis』の1曲目「Sister Sarah」をピックアップしてみました!
比較的ストレートなアップテンポで、キャッチーな雰囲気もあり、こ難しいプログレが苦手なメタルファンでも、聴きやすい楽曲でしょう。それでもふた捻りくらいした難解なコード進行と、不思議な浮遊感のあるメロディやコーラスが密かに散りばめられ、コンパクトな中にイット・バイツならではの個性がフルに発揮されていますね〜。日本盤は曲順が違い、オープニングに変更しているいるのはナイス判断です。
プログレの裾野を広げ、新時代につなげた功績と更なる期待が大きかっただけに、フランシスと袂を分かったのは本当に残念でした。ストリーミングであれこれ聴けますので、ちょうど秋の夜長にじっくり味わってほしいバンドですね!
ぜひ一度、聴いてみてください!