※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新曲をご紹介します!
アメリカのヘヴィ・メタル・バンド、トリヴィアム(TRIVIUM)のマシュー・キイチ・ヒーフィー(Matthew K. Heafy)が、アメリカのシンガーソングライター、リチャード・マークス(Richard Marx)をフィーチャーしたカヴァー曲を音楽ストリーミングサービス、配信限定で公開しました。
トリヴィウムとリチャード・マークス!全く接点のない2組のアーティストが謎の共演??4月1日のニュースなら、エイプリルフールの悪い冗談か〜、と笑えるんですけど、ガチのニュースでびっくりしました〜。メタルとAORが分け隔てなく好きな筆者の場合、たまたま両者とも愛聴していますけど、基本的には音楽的にファン層が全く被らないと思われます。
この異色中の異色なコラボのきっかけは、リチャードの息子がトリヴィアムのTシャツを着ているのをマシューがたまたま発見!SNSを通じてマシューがリチャードに直接連絡を試みたことに始まりました。そこからやり取りが始まり、一緒に音源を作る話へと発展したようです。まさに、コロナ禍ならではのエピソードですね〜。
結果的にマシューが全ての楽器を担当してオケを作り上げたのが、リチャードの大ヒット曲「Right Here Waiting」のカヴァーでした。同曲はリチャード2枚目のアルバム『Repeat Offender 』からの2枚目のシングルで、89年8月12日に全米チャート1位の金字塔を記録しています。マシューがまだ3歳の頃の出来事になりますけど、マシューに取ってはそんなレジェンダリーな大物アーティストが、自分と共演してくれることが素直に嬉しかったんでしょうね。
さて、気になる音源ですが、マシューによるオケは、想像以上にトリヴィアム風のヘヴィネスが効いた、ブラストビートまで登場する激烈なメタルアレンジに仕上がっています。一方のリチャードは、驚くほどにオリジナルと変わらない、甘く切ない歌声を聴かせてくれます。興味深いのは、両者が自分の個性のままに、それぞれ全く相手に歩み寄ることなくコラボしている点ですね(笑)。
まあ、マシューが爽やかなAOR風のギターを弾くわけがないですし、リチャードのデスヴォイスも想像できません(笑)。それでも若干なりとも相手の音楽性に歩み寄るかと思いきや、まさに異種格闘技戦の様相を呈していますね〜。これを消化不良と捉えるか、はたまた面白くレアと捉えるかは、意見が分かれるとは思いますけど、個人的にはこのあり得ない共演が生み出した奇跡の音源を、単純に楽しんで聴けました〜。
世代も奏でてきた音楽性も全く異なる両者ですが、コメントを見るとそれぞれが持つ才能への心からのリスペクトを表している点が、とても心地よく感じられました。ライヴでもぜひサプライズで共演して欲しいところです!
聴いてほしい度 85%
リチャードのオリジナルヴァージョンはこちら!