※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
アメリカのAORユニット、 エアプレイ(AIRPLAY)が、1980年にリリースした唯一のアルバム『Airplay』の2曲目に収録。
ジェイ・グレイドンとデヴィッド・フォスター、2人の天才が手を組んだ80sの奇蹟エアプレイ。ただ1枚残された本作は、”AORの教科書”として語り尽くされてきた不朽の作品です。HM/HRでいえばジューダス・プリーストの名作のようなもので、今さらですが取り上げてみたいと思います。
個人的にはAORへの本格的に興味を持つきっかけになったのがエアプレイでした。80年の発売当時に、シングル「彼女はウェイト・フォー・ミー」はラジオで聴いて、ポップな曲調がそここそ気に入っていたんですが、まだ若さ故にもっと刺激的な音楽を求めていたので、ハマるところまではいかず。。
その後HM/HRを聴き込む中でメロハー的な音楽に惹かれ、TOTO界隈の人脈を辿るうちに再び行き着いたのがエアプレイ、強いてはジェイ・グレイドンの存在でした。
HM/HRファンからの視点で見れば、TOTOやスティーヴ・ルカサーは比較的人気がありますけど、同じ西海岸のスタジオ系ギタリストでも、ジェイは別世界のアーティストとして、そこまで認知されていない気がします。ロック路線のルカサーとジェイとではスタイルが異なるのも原因なのでしょうね。
ですが、エアプレイでは美しいディストーションの効いたギターサウンドなど、意外にハードな要素も披露してくれます。一寸の乱れもない完璧なハモリなど、ギターソロの緻密な構築美もテクニック重視のHM/HRファンにとって得るものがあるでしょう。
ハード・ロックとの親和性でいえば1曲目の「Stranded」がオススメですけど、メロハーファン向けに今回ピックアップした「Cryin’ All Night」は、まさに夏の訪れとともに聴きたい、爽快な西海岸系ハード・ポップ・チューンです!デヴィッドの多彩なキーボードアレンジのなんとも気持ちいいこと!
鉄壁のリズム隊はTOTOのジェフ・ポーカロ(Ds)、デヴィッド・ハンゲイト(B)が担当していますね。ジェイとトミー・ファンダバーグが織りなす極上なハイトーン・ヴォイスも心地好い風を運んでくれます。
書き始めるとキリがないですけど(笑)、アルバム全てが聴きどころなので、AORと構えずに一度は耳にしてほしい逸品ですね〜。これだけの評価を得るに相応しいマジックが、この作品のいたるところに秘められていますし、新たな音楽への探究心をHM/HRファンにも与えてくれるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!
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