※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
アメリカのメロディアス・ロック/ AOR・ユニット、 ザ・フロント(THE FRONT)が、1985年にリリースした1枚目のアルバム『The Front』の2曲目に収録。
エア・プレイのシンガーとしてお馴染みのトミー・ファンダバーグと、ハワイで70年代から活動するフュージョンバンド、シーウィンドのドラマーのボブ・ウィルソンを中心とするザ・フロント。いわゆるCCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)系に属するものとなります。
唯一となる本作では殆どの楽曲をボブが書き上げ、トミーが作詞を行っていますので、完全に2人が主導したといって良いでしょう。バックアップを務めるのが、HM/HRファンにはお馴染みのギタリスト、ダン・ハフ、シーウィンドのキーボード、ラリー・ウィリアムスら名手ですから、高品質のサウンドは約束されたようなものですね。
80年代当時は日本盤化されずに、幻の1枚になっていましたが、2001年にクールサウンドから目出度く初発売されました。そのオビキャッチの「この世に”ネクスト・エアプレイ”が存在するとしたら、それは本作以外にはあり得ない」は、中々言い得て妙ですね〜。
トミーが参加しているだけでは、簡単にエアプレイライクな方向性のサウンドは期待できないでしょうが、ザ・フロントでは、明らかにそれをいい意味で狙ったであろう痕跡が、あちらこちらに確認できて思わずニンマリしてしまいます。
今回ピックアップした「Holy Light」は、アルバム中でも、もっともエアプレイ的なニュアンスが強く感じられる、キャッチーで爽快、ノリの良いメロディアスなAORロック・チューンです!
ラリーがこうした曲をサラリとかけるのも驚きですけど、やはりトミーの突き抜けるようなハイトーンと、エアプレイに寄せたアレンジがあってこそでしょう。良質な音楽がたくさん聴ける良盤なので、当時日本盤が出なかったのはホント不思議です。
現時点では初出CDも廃盤状態ですが、だからこそストリーミングで聴けるのは嬉しい限りで、多くのメロディ愛好家の耳に届くといいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!