※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
アメリカのメロディアス・ロック・バンド、ホワット・イフ(WHAT IF)が、1987年にリリースした1枚目のアルバム『What If』の2曲目に収録。
「ヴォイス・オブ・エアプレイ」として、AOR、メロディアス・ロック・ファンにリスペクトを受け続けるシンガー、トミー・ファンダバーグ関連では色んな楽曲をご紹介してきましたが、今回もトミーにまつわるバンド(というかユニット)になります。
このホワット・イフは、トミーがハワイのフュージョンバンド、シーウィンドのボブ・ウィルソン(Ds)とラリー・ウィリアムス(Key、Sax)と作り上げたユニットでした。以前取り上げたザ・フロントと制作陣が似通っていますね〜。
CCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)系という部分でも、ある意味ザ・フロントの発展形と言って良いでしょう。
アルバムには3人に加えて、マイケル・ランドゥ(G)、ダン・ハフ(G)、ビル・チャンプリン(Cho)をはじめとした、西海岸の名うてのミュージシャンが集っており、そのクオリティが約束されたようなメンツですね。
1987年ということで、80sの煌びやかなミュージックシーンを反映するかのように、実にゴージャスでメジャー感のある音作りに仕上がっています。正直いって、楽曲の質やデジタル風味でビコビコと打ちこみを多用した音楽性に関しては、AOR濃度が薄めのぶん、ザ・フロントに劣るように思えますけど、トミーや西海岸のスタジオ人脈系の音が好きな方々なら、十分に楽しめるでしょう。
今回ピックアップした「If This Is Love」は、ドラマティックでキャッチーなメロディの中で、トミーの堂々とした珠玉のハイトーンボイスが躍動する、メロディアスなロック・チューンです!
ボブのタイトに決めるドラミングやマイケルのハードなエッジを残したギターワークも素晴らしいですし、その音像からメロハー好きの方々の琴線にも十分にアピールするでしょう。この1枚だけのユニットで終わってしまったのがなんとも惜しまれる存在でしたが、こうしてストリーミングで聴けるのは嬉しい限りですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!