※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
スウェーデンのメロディアス・ロック・シンガー/ シンガーソングライターのトミー・ニルソン(Tommy Nilsson)が、1987年にリリースした3枚目のソロアルバム『It』の10曲目に収録。
トミー関連では、彼が80年代に在籍したスウェディッシュ・ハード・バンドのイージー・アクションと、90年代のソロ作をメロハー括りで過去にご紹介してました〜。
その際にも書いたんですけど、むしろトミーは、本国ではソロのポップ、AORシンガーとしてキャリアを重ね、その名を馳せてきました。ストリーミングには近影のアー写が使われていますけど、俳優としても活躍するダンディな佇まいには、かつての髪を逆立てたヘアメタル的な風貌の面影は全くありませんね〜。
ソロアルバムとしては1981年に日本でも「愛のシルエット」の邦題でリリースされたデビュー作に続き、1982年にもセルフタイトルを冠したアルバムをリリースしていますが、以前にフランスでの成功を収めたにも関わらず、同様にヒットには至りませんでした。
その後、フランスやアメリカを拠点にしていたトミーは、スウェーデンに戻ってイージー・アクションでの活動を挟み、本格的なソロ活動復帰への布石となったのが本作でした。AOR的な方向性に再びシフトした本作ですが、同時期にトニー・ノーラムとのデュエット曲「Allt som jag känner」が本国チャート1位のヒットを記録したこともあり、アルバムもヒット。本国チャート3位を記録しました。
今回ピックアップした「Maybe We're Avout to Fall in Love」は、シングルとしてもリリースされ、本国チャートで完全にソロとしては初めて1位の栄冠に輝いた、珠玉のAORバラード・チューンです!Spotifyの再生回数も約237万回を記録しています。
一聴するとジョージ・ベンソンの名曲「Nothing' s Gonna Change My Love for You」を彷彿とさせる曲調で、心に染み入る大人のメロディと、情感と表現力に溢れるトミーの堂々とした歌唱を堪能できるでしょう。
その後、ユーロヴィジョンでの活躍を始め、よりAOR色を強めた音楽を本国語歌唱を中心に創り上げていきましたが、ストリーミングに多くアップされているので、HM/HRシーンから派生した才能を楽しんでほしいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!