※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
アメリカのロック・バンド、ドゥービー・ブラザーズ(THE DOOBIE BROTHERS)の元ギター&ヴォーカルのパトリック・シモンズ(Patric Simmons)が、1983年にリリースした1枚目のソロアルバム『Arcade』の6曲目に収録。
ロックファンなら誰もが知る西海岸の雄、ドゥービー・ブラザーズだけに、HM/HRファンにも愛聴している方々は多いでしょう。筆者はAORもいけるクチなのでどの時代の作品も違和感がないですし、ヴァン・ヘイレンのプロデューサー、テッド・テンプルマンが育てたバンドという観点でも親しみを感じます。
そんなドゥービーに創設期から一貫して在籍し、ギター、ヴォーカルを担当しながら数多くのマテリアルを生み出してきたのがパトリックですね。アメリカン・ロックの歴史を作ってきた人物とも言えるパトリックが、初のソロ名義でリリースしたのが本作でした。
ドゥービー初期の頃のパトリックは、自身も大好きだというバイカー風のワイルドな男らしさを漂わせていました。ここでは80年代に入りドゥービーがAORへと傾倒していた頃ですから、ソロのジャケットに映るパトリックの姿も、オシャレでアーバンな大人の匂いを漂わせていますね〜。
サウンドの方もドゥービーを想起させる、メロウなメロディやアレンジをふんだんに取り入れたAOR、産業ロック的なアプローチが満載。パトリックのギターもしっかりフィーチャーした、大人が楽しめるウエストコーストのアメリカン・ロックに仕上がっていますね。質の高い楽曲がずらり並ぶ様は流石のクオリティで、シングル「So Wrong」はビルボード30位のヒットを記録していました。
今回ピックアップした「Knocking At Your Door」は、HM/HRファンならドッキリ!誰もが知る超有名ギターリフがイントロから飛び出す、小粋なセンスが光るパトリック流のハード・ロックチューンです!
早速ネタバレすると(笑)ディープ・パープルの「Smoke on the Water」ですね〜。一瞬カヴァーか?と思いきや、オマージュ的なパートして繋げて、本編に突入していくアレンジが面白いですね。パトリックは味わい深いヴォイスで、いつも以上に力強く歌い上げています。
ぜひ、一度聴いてみてください!