※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、エンジェル(ANGEL)が、1977年にリリースした1枚目のアルバム『Angel』の1曲目に収録。
70年代に登場した数多のハード・ロック・バンドにおいて、異端というかイロモノ臭の強さでいえば、このエンジェルは相当上位で記憶に残るバンドと言えるでしょう。
ワシントンD.C.で70年代半ば、パンキー・メドウスらによって結成されたエンジェルは、メンバー全員でズラリ揃えた白いサテンの衣装を身にまとったうえに、ケバケバしいグラム風のメイクを施し、一躍クラブシーンで注目を集めました。
それに注目したのがキッスのジーン・シモンズで、エンジェルはキッスと同じカサブランカとの契約を獲得します。地獄のキッスに対する天使のエンジェルと、両極端な究極のイロモノが誕生しました。
耽美なルックスは当然、女性ロックファンの注目を集めていきますが、一方で良質なハード・ロック作を次々に生み出したにもかかわらず、音楽以前にキャラが立ちすぎてしまい、、堅物なメディアや評論家から批判を浴びてしまいます。結局、正当な評価を得られないまま、一度解散に追い込まれてしまいました。
その後、グレッグはジェフリアとしてLAメタルシーンで成功を収めたり、『Angel』に収録された「Angels (Theme)」が、オジーの「Mr.Crowly」のイントロ部分の元ネタになったりと、80sのHM/HRシーンにエンジェルは少なからぬ影響を与えているのも見逃せないですね。
今回ピックアップした「Tower」は、グレッグ・ジェフリアの荘厳なシンセの音色とアレンジが、アメリカン・プログレ・ハード風味を存分に醸し出す、エンジェルの代表曲です!
フランク・ディミノが情感たっぷりに歌い上げる、哀感を湛えた美しいメロディが胸に刺さりますね〜。エンジェルがルックスだけのバンドではないのをわかりやすく証明する、初期の名曲と言えるでしょう!
ストリーミングでは初期2作が解禁されておらず、今回は80年の『Live Without a Net 』の1曲目に収められたヴァージョンを貼り付けました。臨場感たっぷりのこのライヴ作もいい出来栄えですね。2019年の復活作ではセルフカヴァーされています。
現時点では3枚目『On Earth as It Is in Heaven』と、5枚目『White Hot』がストリーミングで聴けますが、いずれも良作なので機会があればまたご紹介したいと思います!
ぜひ、一度聴いてみてください!