※美旋律、メロハー好きなら追求したいAORの魅力をメタル視点で紹介していきます。
アメリカのメロディアス・ロック/ AOR・バンド、 キング・オブ・ハーツ (KING OF HEARTS)が、1999年にリリースしたアルバム『1989』の11曲目に収録。
久々のAOR括りですが、前回のザ・フロントに続きトミー・ファンダバーグ関連のタイトルをいってみましょう〜。90年代に日本独自、先行でAOR関連のアーティストやタイトルがリリースされる機会がありましたが、今は無きパイオニアLDCから94年にリリースされたキング・オブ・ハーツもそんなバンドのひとつでした。
エア・プレイでお馴染みのシンガー、トミー・ファンダバーグと名プロデューサーにしてギタリスト、ブルース・ガイチを中心としたバンド、というかプロジェクトで、AORファンの注目を集めましたね。
筆者もセルフタイトルの日本盤を買いましたけど、トミーのお馴染みの爽快でエモーショナルなハイトーンボイスを中心に、ブルースのプロデュース力を駆使し、西海岸の空気をたっぷりと吸った高品質なAOR作に仕上がっていました。
その5年前に、実は幻のメジャー用のアルバムが存在した!ということで日本のクールサウンドからリリースされたのがその西暦『1989』を冠した本作でした。収録曲が日本デビュー作と被ったりしてややこしいものの、ジャケットの4人が示す通り、バンド感をより与えてくれます。
他の2人はジョージ・ホーキンス(B)、そしてナイト・レンジャーのケリー・ケイギー(Ds)ですから、エッジの効いたロックテイストもそこかしこに溢れており、HM/HRファンもとっつきやすいでしょう。
今回ピックアップした「King of Hearts」は、バンド名を冠したテーマとも言える、キッチーにして哀感溢れるメロディをたっぷりと滲ませた、珠玉のAORロック・チューンです!トミーの味わい深いボイスとブルースの叙情的なギターが絡み合い、聴くものにじわじわと染み入る感動を与えてくれますね。
ストリーミングでは本作に加え、日本での1、2枚目を抜粋した『No Matter What』、2019年の作品で日本デビュー作と同タイトルにして別モノの『King of Heats』の2枚を堪能することができます。
ぜひ、一度聴いてみてください!