※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
イギリスのハード・ロック・バンド、ハード・スタッフ (HARD STUFF)が、1972年にリリースした1枚目のアルバム『Bulletproof』の1曲目に収録。
70年代初期のブリティッシュ・ロックは、筆者にとってリアルタイムではなく、有名バンド以外を積極的に聴いていったのは80年代後半以降でしたね。当時は当然インターネットもないので、詳しい知人に教えてもらったり、ディスクガイド的な音楽誌で調べたりしながら、手に入る範囲で少しずつ聴いていきました。
正直その中には、古いなあ〜とか、かったるい音だなあ〜とか(汗)、自分の感性に合わないものも多かったんですけど、激しくてカッコええやん!と若かりし頃でも思えた1枚が、このハード・スタッフのデビュー作でした。
確か中古盤で偶然、ディープ・パープルのマネジメントによるパープルレコーズからリリースされた、本作の輸入盤を手に入れた覚えがあります。70年代初頭のバンドにしては、ファズで歪みザラついたギターが荒々しく、ブリティッシュらしい陰影と重さのある音像で、HM/HRばかり聴いていた耳にもすんなり入ってきましたね〜。
ハード・スタッフは、元アトミック・ルースターのジョン・カン(G、Vo)とポール・ハモンド(Ds)、元クォーターマスのジョン・ガスタフソン(B、Vo)というパワー・トリオ。70年当初はデーモン名義でハリー・アル・ショウ(Vo)を加えた4人組でしたが、ハリー脱退後の71年にブレット、さらにハード・スタッフへと改名されています。
ジャケットのメンバー写真が4分割されているのは、本来4人で載るはずだったからなんですね。アルバムは次作『Bolex Dementia 』と2枚のみで解散していますが、作風は異なれどいずれもブリティッシュ・ロック・ファンに一定の評価を受けています。両作ともストリーミングで聴けるので、聴き比べも面白いでしょう。
さて、「Sinister Minister」「Time Gambler」等、デビュー作にはクールな楽曲がたくさん入ってますけど、今回はハード・スタッフとの出会いになった、オープニングに収められた「Jay Time」をピックアップしました!
3分足らずの短いシンプル極まりないブリティッシュ・ハード・ロック・チューンですが、永遠と繰り返されるヘヴィなリフと、それにシンクロする呪術的なメロディが聴いていると、脳内リピートされてクセになりますね!
ぜひ、一度聴いてみてください!