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【新作レビュー】トレヴァー・ラビン(Travor Rabin)『Rio』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2023年10月6日、南アフリカのマルチロックプレイヤー/ アーティスト、 トレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)の約11年ぶり6枚目のアルバム『Rio』がリリースされました。

 

ソロ名義作として11年ぶりということですが、ソロとしての前作『Jacaranda』がイントゥメンタル作品だったので、歌モノとしては『Can't Look Away』以来、実に約34年ぶり!!というのは驚きですね〜。『Can't Look Away』はストリーミングでも聴ける貴重な作品ですけど、以前このブログでも楽曲をご紹介していました。

34年間もなんで待たせたの?という感じですけど、音楽家としてずっと忙しい時間を過ごしていましたからね。94年ごろまではイエスとして『Union』『Talk』といった作品に関わり、95年以降はソロとして新たに映画音楽の領域での活動を加速化。数多くの有名作でスコアを担当してきたのは、その豊かな音楽才能がなせる技でしょう。

 

2016年以降はアンダーソン、ラビン&ウェイクマンの活動を足がかりに、再びロックの領域に活動の場を移行。待望となるボーカルアルバムの完成は本当に嬉しいことですね。コメントによると10年に渡って本作へのアイデアを温めてきたようですが、忙しくなかなか時間が取れず、タイミングを見つけようやく一気に完成へと持ち込んだようです。

 

来年1月で御年70歳を迎えるトレヴァーですけど、まずはトレヴァー自らが描いたジャケットによる本作を一聴してみると、そうした年齢を一切感じさせないことに驚かされます。良い意味で80年代の頃に抱いた先鋭的な印象と何も変わらない、研ぎ澄まされたフレッシュな感性を今だに持ち続けていることが受け取れますね。

 

サウンドの方向性は、80年〜90年代にイエスの『90125』『Big Generator 』『Talk』といった、一連の作品群で実践したテイストが感じられ、こうした作品を愛してきたファンならば十分楽しめる作風ではないでしょうか。

 

よく練られた楽曲は適度にプログレッシヴでポップなフィーリングを持ち、それでいて緻密に構築されたアーティスティックな感性を、楽曲の端々に十分盛り込んでいます。まだ少しリピートしただけなんですけど、トレヴァーがマルチにこなす高度なプレイの数々も含め、重なり合った音世界をヘッドホンで聴き込んでじっくり味わいたいところです。

 

エスのテイストが色濃いプログレッシヴでスリリングな「Push」、トレヴァーのギタリストとしての技巧の高さを改めて思い知らされる「Thandi」辺りもレコメンドしたいところですが、今回はオープニングのリードチューン「Big Mistake」をピックアップしました!

 

80sの洋楽のごとき、わかりやすくポップでキャッチーなメロディが溢れていますが、プログレッシヴな音像とのバランスが絶妙ですよね〜。Apple MusicではMVが公開されていますが、トレヴァーがマルチに演奏するスタジオからの映像が、彼がアルバムを制作する時の様子を想像させてくれます。

 

聴いてほしい度

87

Big Mistakes

Big Mistakes

  • provided courtesy of iTunes

MVはこちら!

アルバムはこちら!

Rio

Rio