※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンド、カイロ(CAIRO)が、1994年にリリースした1枚目のアルバム『Cairo』の2曲目に収録。
マイク・ヴァーニーが90年代に新たに展開したネオプログレッシヴ・ロックのレーベル、マグナ・カルタ・レコーズ関連で、これまでにマジェランとシャドウ・ギャラリーをご紹介しましたが、もう1バンド印象に残っているレーベルメイトだったカイロもコンプしてしまいましょう〜。
1993年にサンフランシスコで結成されたカイロは、中心人物のマーク・ロバートソン(Key)に加え、アレック・ファーマン(G、Vo)、ブレット・ダグラス(Vo)、ロブ・フォーダイス(B)、ジェフ・ブロックマン(Ds)の5人編成でスタートしました。
制作したデモがマイクのお眼鏡に叶いマグナカルタと契約。本デビュー作をリリースしました。レコーディングはマーク自身のプロデュースにより、ホームスタジオで行われましたが、デビューかつセルフでの制作体制とは思えぬレベルの高いプログレッシヴなサウンドに仕上がりました。
90年代のネオプログレ系ですから、70年代の古き良きプログレのエレメントを継承しつつも、新世代らしくアップデートされた音像を展開しています。中心となるのが鍵盤奏者だけに、シンセ、オルガンなどキーボードを全面に押し出したスペーシーな音像や、シンフォニックなサウンドメイキングが目立つのがカイロの特徴と言えるでしょう。
それでもしっかり歌えるシンガーもいるので、メロディックな歌モノとしても機能してますし、アレックのギターも主張しており、ハードなプログメタルとしてのエレメントも十分です。長尺でも冗長にならず、テクニカルなプレイには多少フュージョン風味も感じ取れますね。
様々なタイプの楽曲が収録されていますが、今回はオリエンタルなメロディのインスト曲から続く「Season of the Heart」をピックアップしました!イエスの影響が強く感じられるテイストに彩られた、メロディや展開が俊逸なプログレッシヴ・ロック・チューンに仕上がっています。
カイロはメンバーチェンジをしながら、さらに2枚のアルバムをリリースしましたが、2001年に解散してしまいました。こちらもストリーミングで聴けるので、小さな波でしたが、新世代ネオプログレの優れた音世界を堪能してほしいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!