※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
ドイツでの活動をベースにしたイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、ネクター(NEKTER)が、1972年にリリースした2枚目のアルバム『A Tab In The Ocean』の1曲目に収録。
「自分の好きな著名アーティストが影響を受けた」という理由で、未聴の音源に興味を抱いたことは、多くのロックファンなら経験しているでしょう。スティーヴ・ハリスがその影響を公言したネクターは、まさにそんなバンドのひとつでした。
熱心なプログレマニアの方々なら知ってて当然だったんでしょうけど、メタル好きでプログレも聴きます程度のファンであれば、よく知らない方々も多かったに違いありません。バンド名を聞いた時、あの有名な桃のドリンク名を連想したくらいでしたからね(笑)。
そんなきっかけで、名作と言われる『Recycled』のCDを最初に買って聴きましたが、LPではA面を占める組曲など、その構築力の高さを実感しました。電子楽器をフィーチャーした立体的な音像は、正直予想外でしたが、派手さもありHM/HRファンもとっつきやすい印象を受けました。
ネクターは69年に旧西ドイツのハンブルグで結成され、71年のデビュー作以来、82年当時の解散までに8枚のアルバムをリリースしています。作品毎に全く異なる色合いを見せてくれるのが特徴ですが、逆にいうとネクターならではのサウンドを一言で形容し難いのが、日本での認知に災いしたのかもしれません。
4枚目の『Remember the Future』が、プログレらしい染み入る叙情性があり好みですけど、メタルファン視点ではこの2枚目が比較的しっくりくるでしょう。歪みの強いギターを据えた音像の中で目まぐるしく変わる展開など、メイデンのヒントになったであろう要素が散見されますね〜。
今回ピックアップした「King of Twilight」は、勇壮なリフや途中から突然疾走を始める展開など、メタルファンなら”どこかで聴いたことがある”パートが次々と飛び出す、ハードなプログレッシヴ・ロック・チューンです!
メイデン自身がのちにカヴァーしたことで知られ、84年にシングル「Aces High」のカップリングに収録されましたが、自身の楽曲と思えるほどのハマっているのが興味深いところです。
ネクターは2000年の再結成以来、形を変えつつ今も現存しています。ストリーミングで多くの音源が聴けるので、改めてじっくり辿ってみたいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!
アイアン・メイデンのカヴァーヴァージョンはこちら!