※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年9月20日、日本のメロディアス・ハード・ロック・バンド、ブラインドマン(BLINDMAN)の5曲入りEP『Outburst』がリリースされました。
11枚目のフルアルバム『Expantion』から約3年ぶりとなるブラインドマンの新音源は、2曲のセルフカヴァーを含むEP形式となりました。前作に対してのツアーがコロナで満足に行えなかったので、それらの楽曲も含めたツアーにすべく、敢えて新曲少なめのEP形式をとったようですね。
ブラインドマンに関しては、ほぼ初期の『Being Human』の頃からずっと愛聴してきましたが、当時は80sのジャパメタムーブメント以来の強力なニューカマーが出てきた!と興奮したものです。それから25年ほどの歳月が流れたとは早いもんですね〜。
その間、メジャーデビューを実演させたものの、そのポテンシャルの高さとは裏腹に、商業ベースのHM/HRシーンの流れに良くも悪くも乗ることなく、メンバーチェンジや解散状態も経ながら、粛々と良質な音源制作を積み重ねました。
その歴史そのものが中心人物のギタリスト、中村達也が築き上げてきた音楽史そのものと言って良いでしょう。中村ほどのソングライティング力があれば、時流に乗った”売れそうなメタル”をクリエイトすることも可能だったはずですが、己が一番自然に表現できるHM/HRをひたすらに奏でてきました。
そのスタンスはまさに音の”職人”というに相応しく、そのエモーショナルなギタープレイに加えて、圧倒的に優れた作曲能力の高さは、長きジャパメタシーンにおいて特筆すべきものがあります。決して派手さはなくとも、その音作りの本質に触れれば筆者のように長く応援したくなるはずです。
今回のEPでの3曲の新曲も、そうした中村の手を抜かない音楽への拘りが凝縮した楽曲になっています。それぞれタイプが違う楽曲で、ヘヴィな「A Man in Wonderland」バラードタイプの「Diamond Dust」は、ちょっと地味かな?と思えるんですけど、リピしてるとじわじわとスルメ型でメロディの良さが効いてきます。
セルフカヴァーの「Bed of Nails」は思いのほかに新鮮な仕上がり。名曲「Living A Lie」は、再挑戦のカヴァーとなりますけど、やはりオリジナルヴァージョンのマジックを超えるのは敷居が高かったかも?ボカロのような謎のボーカル処理はちょいと疑問でした。
とはいえ、またまた素晴らしい楽曲がレパートリーに増えたわけで、これだけ良い曲を長く多く書き続けられる中村には、素直に敬服したいですね。
ちなみにCDフォーマットでは5曲入りで2630円!となかなかお高くなっております。一方、Appleの配信では5曲で764円と割安感がありますね。ストリーミングに発売日にアップしてくれたのはありがたいので、これからもリピしていきたいと思います。
今回は2曲目の新曲「Destiny」をピックアップしました!新曲3曲のなかでもっともこれまでのブラインドマンが感じられ、中村達也の楽曲だなあ〜と嬉しくなってきます。イントロから最後まで、メロディ、コード進行、アレンジと本当に自然で無駄がないんですよね。素直にこれまでのブラインドマンの良曲に肩を並べる1曲です!
今やオリジナルメンバーはベースの戸田だけになりましたが、Ray(Vo)の熱唱もすっかり馴染んで、いまだに高谷推しの筆者でもだいぶ違和感がなくなってきましたし、手数の多い實成(Ds)のドラミングもバンドに新鮮味を与えていますね。
ただし、ライヴ映像を見ると2人ともなんとも地味なパフォーマンスで勿体無い。。ドラムがド派手にドカドカやって、ボーカルも高谷のように華があれば、随分印象が違うと思います。もちろん演奏は申し分ないので、その辺りの改善に期待したいところです!
聴いてほしい度
85%
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