※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年7月14日、ブラジル / アメリカのエクストリーム・メタル・バンド、カヴァレラ・コンスピラシー(Cavalera Conspiracy)による再録音アルバム『Morbid Visions』と再録音EP『Bestial Devastation』がリリースされました。
セパルトゥラでの活動時に生まれた確執から、残念ながらそれぞれの道を歩み始めたマックスとイゴールのカヴァレラ兄弟が、10年以上の時を経て奇跡の再合流を果たしたカヴァレラ・コンスピラシー。
筆者はセパルトゥラの初来日で体感したカヴァレラ兄弟の壮絶なプレイ、血の繋がりを実感する相性の良さをみるにつけ、いつの日か仲直りしてほしいなあと願っていたので、2007年に兄弟が雪解けして激しい音楽を再び奏で始めたと言う知らせは、本当に嬉しいニュースでしたね〜。
あれから、15年以上の月日が流れ、オリジナル楽曲を作り続けてきたカヴァレラ・コンスピラシーから、興味深い新作2枚が届きました。もうタイトルだけでピンとくるように、なんと、セパルトゥラ黎明期の音源であるデビューアルバム『Morbid Visions』と、EP『Bestial Devastation』の完全リレコーディング作品の登場です!
この手のリレコ音源は、ある意味オリジナルヴァージョンがショボければショボいほど、そのギャップが生まれるわけですが、そうした観点ではこの2枚の新ヴァージョンとの落差は強烈!個人的にはオリジナルの初期衝動全開の演奏や、書道の半紙くらい薄っぺらい(例えが変ですかね汗)、ペランペランの音質とか大好物なんですけど、客観的な品質でいうと、聴き手を選ぶかなり未完成な音源だったのは間違いありません。
今回のリレコ盤では、現代風にヴァージョンアップした、嘘のように分厚くもクリアな轟音と激烈で正確無比な演奏を持って、2枚の楽曲が完全再現されていきます。当時カヴァレラ兄弟が頭の中にイメージしていた音像を、アーティストとして長きキャリアを積み重ねる中で、ようやく完全に具現化できたんでしょうね。
まあとにかく、息をのむほどに激しく繰り出されるエクストリームなメタルの波状攻撃で、一寸の容赦も与えてくれません。そんな激烈な音にもかかわらず、次々と繰り出される楽曲やリフ、ブラストビートの原型は、まだ若々しい彼らが初期衝動で生み出したものとは思えないほどに素晴らしく、現代に甦った音源に触れているうちに、聴いてて不思議な感動すら覚えてきます。数多あるリレコ盤としては出色の出来の言えるでしょう。
同時に収録された新曲も、当時のエレメントがしっかりと盛り込まれたもので、全く違和感なくアルバム、EPの楽曲の中に溶け込んでいるのもいいですね。
ジャケットのアートワークも、同様のデザインを現代風にアップデートしたのはクールですね〜。そうしたジャケも含め、オリジナル音源と両方ともストリーミングにアップされているので、両者を聴き比べるのも面白いでしょう!
今回は『Morbid Visions』の方から、アルバム3曲目「Troops of Doom」をピックアップしました!ほんと、別曲と勘違いするほどに逞しく生まれ変わっていますね!当時を知らない方には真っさらな新曲として楽しめるかも知れません。
日本盤CDは、アルバムはともかく、EP『Bestial Devastation』が同じ価格とは、、ちょっとお高いのは否めませんし、2枚組でも良かったように思えます。
聴いてほしい度
88%
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