※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2024年6月20日、ブラジル / アメリカのエクストリーム・メタル・バンド、カヴァレラ・コンスピラシー(Cavalera Conspiracy)による再録音アルバム『Schizophrenia』がリリースされました。
日本盤が遅れて5日に発売されたばかりですが、昨年好評を得たリレコーディング企画にもう1枚追加されました。前回はちょうど1年前でしたか、こちらのブログでも新作レビューしてましたね〜。
改めて言及すると、マックスとイゴールのカヴァレラ兄弟が、セパルトゥラの初期作品をリレコーディングするというスペシャルな企画として、前回は『Morbid Visions』『Bestial Devastation』を完遂。今回はその第3弾として2枚目のフルアルバムで1987年に発売された『Schizophrenia』にチャレンジしています。
『Schizophrenia』について改めて少し振り返ると、出世作である『Beneath The Remains』一つ前ですから、ロードランナーとの契約にも繋がった重要な作品と言える位置付けですね。
音質こそ劣悪なままでしたが、新たにアンドレアス・キッサー(G)を迎え、1枚目からパフォーマンスも楽曲の構成力も確実に進歩。ブラジルを飛び出し世界的なバンドへと駆け上がっていく土台がここにつくられたわけです。
そんな37年も前の作品の再構築にチャレンジしたのは、カヴァレラ兄弟に加え、マックスの息子のイゴール・アマデウス・カヴァレラ (B)、さらにピッグ・デストロイヤーのトラヴィス・ストーン (G)という布陣。
昨年のリレコ2枚の時に大絶賛した通り、今回もリレコとしての期待を上回る強烈な仕上がりとなりました。リレコ企画によくありがちな、ただ現代風のサウンドプロダクションにしただけで演奏もアレンジも劣化してしまっている(汗)、悲しいパターンとは大違いで、初期衝動をそのまま真空パックしつつ、今だからこそできる激烈な轟音を吐き出してるのが素晴らしいですね〜。
しかも単に現代風にアップデートしたわけでなく、ギターのガリガリした荒々しいリフや、重すぎず聴きやすいすっきりした聴感など、サウンドメイキングが絶妙なのも嬉しい限り。そうしたベストな条件で聴き直すと、改めてオリジナルの凄みも再認識できるのが、この企画最大の利点でしょう。
日本での『Schizophrenia』は当時、1991年に後追いで発売されたため、『Beneath The Remains』を聴いたあとの耳では、どうしても音質の悪さや未完成な部分が気になってしまいがちでした。このリレコ盤でカヴァレラ兄弟が本来やりたかった完成形を確認できたことで、改めてオリジナルを聴き直すと今までとは違った印象を受けるはずです。
ここまできたら『Beneath The Remains』『Arise』までリレコヴァージョンで聴いてみたい気がします!
今回は未発表曲として10曲目に収録された「Nightmares Of Delirium」をピックアップしました!実は昔からアルバムに入ってました、といってもおかしくないほどに『Schizophrenia』時の雰囲気が溢れ、しっかり寄せているのがクールですね!
企画の新鮮さという意味で、聴いてほしい度を少し下げました〜。
聴いてほしい度
86%
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