※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年7月14日、スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック ・プロジェクト、ヒューストン(HOUSTON)のカヴァー企画としては約9年ぶり3枚目のアルバム『Re-raunchⅢ』がリリースされました。
オリジナルのスタジオアルバムは、約2年前にリリースされた『Ⅳ』まで、文字通り4枚がリリースされていますが、それとは別にカヴァー企画の「Raunch」シリーズも並行で精力的に続けていますね。
前回のカヴァーでは、唐突にレディ・ガガを取り上げるなど選曲に疑問符が沸いてしまったんですけど、今回はAOR、メロハー系の良質な楽曲にフォーカスして選曲されていて、バンドの音楽性を形作ったものを、自然に表現する内容になっています。フロンティアーズからのアイデアもあったのかもしれません。
その選曲が実にマニアックというか、渋いというか、いわゆる知るぞ知る隠れた良曲やアーティストを掘り起こし、ヒューストンのヴァージョンによって、新たにレコメンドするようなパターンのカヴァーと言えるでしょう。
楽曲を順に見ていくと、、、「Live Forever」と「Do You Believe」の2曲だけは、いきなりですが、ヒューストンのオリジナル曲で、そのいかにもヒューストンらしいメロハーサウンドは、他のカヴァー楽曲と完全に違和感なく溶け込みマッチしていますね。2曲には、「80’s remix」なるミックス違いも収録されていて、確かに80sっぽい派手目なミックスで、同じ楽曲を2パターン味わうことができます。
それ以外はカヴァーとして順に、「Slipping Away」は、マーク・ジョーダンによる83年の楽曲。「Power Over Me」は、アトランティックの94年のアルバム『Power』収録曲。「Heart Of Stone」は、マイケル・ボルトンがソロ活動以前に在籍したバンド、ブラックジャックの79年の楽曲。
「She Don't (Come Around Anymore)」は、デヴィッド・パックの85年のアルバム『Anywhere You Go』収録曲。「She's Out With The Gun」は、ヴァンザントの85年のデビュー作収録曲。「Modern Day Delilah」は、ヴァン・ステファンソンの楽曲。
「Sound Of A Breaking Heart」は、プロフィットの『Cycle Of The Moon』の収録曲。「Outrageous」は、フランキー・アンド・ノックアウツの84年の楽曲。「Running Back」は、アメリカのアージェントの楽曲、以上9曲になります。
いやあ、濃いAOR、メロハーマニアに方ならスラスラ浮かぶかも?しれないですけど、筆者はアルバムやアーティストを知っているものでも、正直言ってすっかり楽曲自体を忘れているもの(汗)が幾つもありました~。
そういった意味で、こんなにいい曲だったっけ?という新たな気づきを与えてくれたのはありがたいですし、ストリーミングでもオリジナルヴァージョンを聴けるものが大半なので、改めて聴き比べるのは楽しい作業になりそうですね。
それにしても、バラバラなアーティストからカヴァーを引っ張ってきて、オリジナルも含みつつ、それなりにアルバムの統一感があるのが凄いところですし、楽曲が良い分、オリジナルアルバムより正直充実してます(汗)。
勿論、メンバーの楽曲のツボを得たパフォーマンスがあってこそでしょう。こうした発掘系のカヴァー企画なら大歓迎なので、貴重な現役メロハー勢として、今後も続けてほしいものです!
今回はオリジナル曲と80sへの拘りに敬意を表して、アルバム10曲目「Live Forever (80's Remiix)」をピックアップしました!
聴いてほしい度
85%
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