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【新作レビュー】ラヴバイツ(LOVEBITES)『LOVEBITES EPⅡ』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2023年8月28日、日本のガールズ・ヘヴィ・メタル・バンド、ラヴ・バイツ(LOVE BITES)の4枚目のEP『LOVEBITES EPⅡ』がリリースされました。

 

数多のガールズ・メタル勢の中でも、再び勢いを加速させ国内外で格を上げ続けているラヴバイツのEPが届きました~。すでにフィジカルを手に入れた方々も多いでしょうけど、ストリーミングでは、EP本編の5曲を聴くことができます。

 

メンバーチェンジによる活動休止を経ながら、新ベーシストのfamiが加入して2月に4枚目のフルアルバムをリリース。

夏には海外マーケットへの展開を図ってヨーロッパを転戦し、大規模フェスにも出演。帰国後の先日には東京ガーデンシアターでのワンマンも成功のうちに終え、現在は再び海外へと旅立ち北米ツアー中ですね。

 

活動再開後の流れはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、脂が乗りきったバンドの状態からも、本EPの内容は確約されたようなもの。収録は5曲ですが、現行メンバーでイチから作り上げるという意味での初音源ということで、重要な位置づけの作品ともいえるでしょう。

 

方向性は従来通り、正統派メタルを基軸にメロパワ、スラッシュなど振り幅のある楽曲を揃え、各メンバーのパフォーマンスの充実ぶりも含めて、ファンの大いなる期待に十分応えるクオリティに仕上がっていますね。

 

個人的にはバンド自体やこれまでの作品を評価する一方、あまりにもスキのない点で、ガールズ・メタル系特有の「大人達がコンセプトを作ってやらせてる感(それが全て悪いわけではないですけど)」がかえって見え隠れするようで、熱心なファンの方々ほどのめり込めなかったのも事実です。

 

そんなうがった見方を払しょくしてくれたひとつが、miyakoのYouTubeチャンネルでした。DTMで新しいマテリアルを制作していく過程を公開した動画では、彼女が持つ確かな音楽的才能と、メタルミュージックに対するセンスの良さの一端を垣間見られるようで、とても興味深かったですね。

 

今回のアルバムでもそうですけど、リフやメロディ、過剰なまでにお腹いっぱい要素を盛り込んだ曲展開、アレンジなどなど、ひとつひとつのセンスが抜群で、(おっさん)メタルファンのツボにいちいち突き刺さるんですよね~。

 

音楽的バックボーンに裏打ちされた才能を端的に知らしめる点で、個人YouTubeもプロモーション効果抜群だと思いますし、ライトなリスナーこそ観るべき動画でしょう。それだけが理由ではないですけど、バンドに対しての理解が深まった点でもアルバム以上の好印象を受けました。

 

音楽とは関係ない部分では、ネットのレビューなどを見ると今回のCDパッケージが限定仕様で幾つも存在することや、リレコ曲が入り9曲で5000円弱と高いことなど、手が出しずらいという批判が散見されました。限定仕様が複雑でぱっと見意味不明でしたね(笑)。

 

レコ社としても稼ぎ時でしょうし、ファン層の中心が比較的お金に余力のあるおやじメタラーなので、何枚もパッケージを積ませたいんでしょうけど、あまり極端なAKB商法的なやり方は、バンドの音楽性にそぐわない気がしますし、イメージに傷をつけかねません。その辺りの折り合いをどうつけていくのかは、ファンならば今後注視すべき点でしょう。

 

同社からはガールズ系でイースト・オブ・エデンも活動中ですが、あちらは脱メタルでよりグレーゾーンの音楽ファンにアピールしたいのでしょう。一方ラヴバイツはメタルマーケットに完全に振り切っているわけですから、そのうえで国内外問わずどこまで高みに昇れるのか?注目していきたいところです。

 

今回はラヴバイツ流のスラッシュ・メタル・チューン「Where’s Identify」をピックアップしました!途中のブレイクはスレイヤーのオマージュですか~、カッコ良くスラッシーな仕上がりで素直に楽しめる1曲になってます!

 

聴いてほしい度

87

ピックアップ曲はこちら!

Where's Identity

Where's Identity

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  • provided courtesy of iTunes

EPはこちら!

LOVEBITES EP II - EP

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