グラハム・ボネットとマーティ・フリードマンが、「シンス・ユー・ビーン・ゴーン(Since You Been Gone)」を突如?新録して、3月22日からストリーミング配信、YouTube等を通じて公開しました〜。
ちょっと意外な組み合わせですけど、歌ってるのがグラハムということもあり、レインボーのヴァージョンを基本踏襲しています。サブスクで確認できるアートワークも、『Down to Earth』をアレンジしたものですね。
マーティは後半のギターソロでは、らしさのあるフレーズも盛り込んで一生懸命に個性を出してますけど、グラハムの齢76!とは到底思えない、キー下げなんぞ無用のパワフルながなりヴォイスが全てを支配していて、結局グラハムの声しか耳に残らない(笑)いつもの印象になってるのが面白いところです。
やはりHM/HRファンにとって、レインボーのヴァージョンこそが、ほぼオリジナルといって良いほどに脳裏に焼きついていますよね。
楽曲自体もさることながら、リッチー・ブラックモアが持ってきたこの曲のカヴァーするアイデアを、コージー・パウエルが猛烈に拒否って、大げんかしたエピソードはHM/HRファンの多くが知るお馴染みのエピソードでしょう。
当時の洋楽雑誌のインタビューで、コージーがこの曲をディスりまくってるコメントをj確かにしてましたね。のちに、ライヴ仕立てのMVを見たときに、当て振りするコージーの表情を見て「ムカつきながらやってんのかな?」とかばかり考えて(笑)、集中してみれなかったのを覚えてます。
グラハムはレインボー脱退後、変わらずにカヴァーして歌い始めます。手始めに、アルカトラスではリッチーになりきった若きイングヴェイとともにライヴで歌い、、、
インペリテリのシンガーになっても、速弾きでアレンジし過ぎ(笑)なクリス・インペリテリとともにレコーディングし、、、
近年になって活動している自身のグラハム・ボネット・バンドのライヴでも当然のように歌いまくり、、、
他にもアンセムのライヴなんかでも歌ってますし、、、どんだけ愛しとんねん!という感じですよね(笑)。もはや、レインボーの楽曲というよりも、グラハム・ボネットの楽曲に、脳内変換されつつあります(笑)。
愛し過ぎのグラハムだけでなく、他にも色んなアーティスト達がカヴァーしているのも周知の通りでしょう。アメリカのロック・バンド、ヘッド・イーストのヴァージョンは、1978年の『Head East』に収録されているので、レインボーよりも早いカヴァーでしたね。名ライブ盤の『Head East Live!』にも収録されています。
ちょっと変わり種では、日本のハイ・スタンダードが1995年の『Growing Up』で、いかにもハイスタらしいメロコアヴァージョンのカヴァーを披露してますね。
ほかにも色んなカヴァーが存在し、時代もジャンルも超えて愛される「Since You Been Gone」(ヴァージョンによっては「Since You’ve Been Gone」と表記されてます)ですが、周知の通り原曲は、イギリスのシンガーソングライター、元アージェントのラス・バラードが1976年に発表した2枚目のソロアルバム『Winning』に収録されています。
改めて聴いてみると、もちろん時代なりの古さを感じるものの、この曲が持つ普遍的なメロディの魅力は全く色褪せていないのは凄いですよね。
突き抜けるような明るいメロディ(「君がいなくなってから。。」という女々しい失恋の歌なんですけど笑)と、フックの塊のようなサビは、一度口づさめば忘れらない魅力に満ちていますよね。尺も短いコンパクトな楽曲なのに、コード進行や展開に一切無駄がなく、ラス・バラードの非凡なる才能を改めて実感させられます。
ちなみに、あれだけこの曲のことを嫌悪していたコージーも、90年代に観たブライアン・メイの来日公演や、イギリスでのライヴ映像で一生懸命楽しそうに(見えただけかもしれませんが笑)叩いていたのが印象でした〜。まさに時代もジャンルも超えて愛される、稀有な名曲と言えるでしょう!