※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、モーニングスター(MORNINGSTAR)が、1978年にリリースした1枚目のアルバム『Violation』の1曲目に収録。
ちょっとした運や不運で、有名バンドと同じようなポテンシャルがあるのに、人知れず消えていく。。アメリカ中西部のミズーリ州カンザスシティ出身のモーニングスターは、そんな思いが去来するバンドのひとつです。
結成は69年にまで遡り、ロック全盛期の70年代に活動を続け、ライヴ活動が評判を呼ぶ形でコロンビアとのメジャーディールを獲得。本作でデビューを果たします。音楽的な方向性はアメリカン・プログレ・ハードと呼ぶのが相応しいのでしょう。
アメリカンのバンドらしい無骨なハード・ロックと、それに相反する美麗なメロディや適度にプログレッシヴな要素を持ち合わせ、そのサウンドはカンサス、スティクスを始めとした同型の有名バンドを想起させるものでした。
楽曲のクオリティや各メンバーのパフォーマンスもメジャーバンドらしいレベルの高いもので、有名バンドに決して引けを取ることはありません。にもかかわらず、ディスコやパンクといった当時の音楽シーンの潮流の悪影響をモロに受けた形で、本作と翌年に2枚目をリリース後、あっけなく解散に追い込まれてしまいました。
今回ピックアップした「Premeditated Rendezvous」は、比較的メロディアスなエレメントを際立たせた、典型的なアメリカン・プログレ・ハード風味を漂わせたチューンです!この曲はわずか3分半弱ですが、こうしたコンパクトな楽曲が多いのもモーニングスターの特徴ですね。
短い中にも叙情的で聴き応えのあるメロディや、美しく分厚いコーラスワーク、包み込むようなシンセの響などを巧みに盛り込み、楽曲の完成度を高めています。クセのないハイトーンヴォイスも聴きやすさで有名バンドに劣りません。
もしリードトラックとしてのキメ曲があれば、全米のマーケットに向けたきっかけをつかんだかも知れませんし、80年代に産業ロック的な方向性でブレイクしたかも?知れませんね。
結局、当時未発売の日本では20年後の98年に初CD化され、さらに海外でロックキャンディから近年、CD再発されました。こうした幻のバンドこそ、ストリーミングでも積極的に聴いて検証していきたいですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!