※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
南アフリカのマルチロックプレイヤー/ アーティスト、 トレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)が、1989年にリリースした4枚目のアルバム『Can't Look Away』の1曲目に収録。
”マルチなんちゃら”と呼ばれるアーティストは、ロックシーンを見渡しても決して珍しくはないですけど、トレヴァーは本当意味で卓越した才能を持つ人物として、HM/HRファンにもその名は浸透しているでしょう。ソロ、イエス、映画音楽の第一人者として、創作活動の広さは目を見張るものがありますよね。
ロックのイメージからほど遠い、南アフリカのヨハネスブルグ出身のトレヴァーは、両親が音楽一家のアーティストとしては理想的な環境で育ちました。本国ではカナダの同名バンドとは異とするアイドル・ハード・ロッカー、ラビットで活動後に渡英します。
卓越した才能で早くに頭角を現し、78年にソロ作「Beginnings」をクリサリスからセルフタイトルで再リリースしデビュー。日本では「誘惑の貴公子」(笑)という邦題でしたが、これが筆者のトレヴァーとの出会いでした。
ラジオで聴いたリードトラック「Getting Know You Better」の歪みきったギターサウンドが何とも鮮烈だったこと!気になる存在になりましたけど、その後はあまり音沙汰がなくなりました。
その間に、クリス・スクワイアとのシネマをきっかけにイエス人脈と繋がり、ついには本体で活動していくわけですね。「ロンリー・ハート」のあまりに有名なイントロのディストーションギターを聴いた時、お〜、あの「Getting Know You Better」みたいやん!と思ってしまいました(笑)。
イエスにトレヴァー・ラビン、最初なんかピンとこなかったんですけど、トレヴァーなしでは80年代以降のイエスは成り立たなかったのは、後年色々と検証されると明白になりましたね。
そんなイエスの活動の最中に作られたのが、俺がトレヴァー・ラビンだ!と言わんばかりのジャケット(笑)の本ソロ作でした。今回ピックアップした「I Can't Look Away」は、叙情的で美しいメロディが光る、プログレ風味を漂わせた7分強の長尺ロック・チューンです!
壮大な雰囲気を漂わせた曲調は感動的で、映画のワンシーンが浮かぶようです。それにしてもディレイをたっぷりかけた伸びやかなギターサウンドには痺れますね〜。
HM/HRファンにはよりオススメの初期のソロ作が、まだストリーミング解禁されていないので、こちらも気長に待ちたいと思います!
ぜひ一度、聴いてみてください!