歌がなくても魅力的!HM/HRインストゥルメンタルの世界を紹介します。
アメリカのロック・ギタリスト、 リッチー・コッツェン(Richie Kotzen)が、1980年にリリースした1枚目のソロアルバム『Richie Kotzen 』の1曲目に収録。
ミスター・ビッグのフェアウェルツアーが日本の席巻したところですが、リッチー・コッツェンの貢献もこのタイミングで思い出したいところです。ポール・ギルバートの後釜という、とんでもない重責を担えたのは、ポール同様にシュラプネル出身らしい確かなテクニックを持ったリッチーだったからこそ、務まったと言えるでしょうね。
リッチーは、ソロとしてのキャリアを積む中で、フュージョン、ブルースと音楽の幅を広げていき、まさかのポイズン加入!という面白いニュースが届いたり(あのCCデヴィルの後釜なんて勿体なかったですよね汗)、はたまたローリング・ストーンズのオープニングアクトに大抜擢されたりと、話題に事欠きませんでした。
それもリッチーのギタリストのみならず、シンガーシングライターとしての卓越した多彩な能力があってなし得たことでしょう。今やすっかりベテランらしい貫禄を放つリッチーですけど、80sのHM/HRファン視点では、やはり原点であるシュラプネルからのデビュー作は忘れられません。
鏡に映る美形の貴公子感(笑)が強い、ナルシスト全開のジャケット写真もスゴイですけど、プレイの方も渋いフィーリングは抑えめで若さ全開!今では考えられないテクニカルで流麗なフレージングをビシビシと繰り出してくれます。この時はまだ19歳!ですから、早咲きの才能ですよね〜。
プロデュースはマイク・ヴァーニーとともに、リッチーも影響を受けたジェイソン・ベッカーのクレジットがありますね。バックはスチュワート・ハム(B)、スティーヴ・スミス(Ds)と、まさに名手ががっちりと固めています。
今回ピックアップしたオープニングを飾る「Squeeze Play」は、シンコペーションの効いたファンキーなリズムの中で、リッチーの超絶なフレーズが次々に飛び出すハード・ロック・ギターインストチューンです!
あくまでも楽曲のメロディを主軸にしながらも、さりげなく凄技を盛り込んでいくスタイルが若さに似合わず素晴らしいですし、ネオクラシカルに逃げないのも個性になっていますね。先々に繋がるポテンシャルを早くも漂わせた1曲と言えるでしょう!
ぜひ、一度聴いてみてください!