※プログレ知識薄めのHM/HR視点で選ぶプログレをご紹介します!
オーストラリアのプログレッシヴ・ロック・バンド、 セバスチャン・ハーディー(SEBASTIAN HARDIE)が、1975年にリリースした1枚目のアルバム『four moment』の5曲目に収録。
連日の猛暑で、激しいメタルで暑さを吹き飛ばすのもいいんですけど、疲れを癒して涼しく聴けそうな?久々にプログレで行ってみましょう〜。以前はサブスクで解禁されてなかったと思うんですが、セバスチャン・ハーディーをたまたま発見したので、今日はこちらからセレクトしています。
プログレ知識薄めな筆者ですが、イエス等の有名プログレどころをひと通り、これまた薄めに(汗)聴いた後で、詳しい知人に「名盤だから聴くべし!」と勧められたひとつがセバスチャン・ハーディーでしたね。
そんなオススメのデビュー作を買うはずが、ジャケットのロゴが同じのせいで、こちらも良い作品でしたが、間違えて2枚目を買ってしまった(笑)苦い記憶があります。それにしても、オーストラリアといえばAC/DCのイメージだったので、こうした叙情派のプログレバンドがいるのに驚かされました。
セバスチャン・ハーディーは73年に結成し、2年後に本作、さらに翌年に2枚目をリリースして、あっという間に一度解散してしまいます。そんな希少性もバンドの価値を高めた要因かもしれませんが、何よりデビュー作の邦題「哀愁の南十字星」の通り、「哀愁」や「叙情性」という表現が、これほどしっくりくるロックはそう多くないでしょう。
マリオ・ミーロが全編で奏でる哀愁の美旋律に身を委ねているだけで、胸にじんわりとくる感動に加えて、どこか自分の意識がふっと軽くなるというか、心の中が優しく癒される感覚に包まれていきます。テクニカルに迫るプログレと違い、個人的にはそうしたヒーリング的とも言える要素が、またこの音楽に触れたいという要因のひとつ担っていますね。
もう20年前になる2003年の初来日公演も観に行きました。会場の赤坂BLITZは正直半分にも満たないお客さんの入りでしたけど、大音響のPAからのサウンドでも、目を瞑ると音源とは違う意味で癒される感動を与えてくれたのを覚えています。
本来はアナログのA面全てを使った4分作の組曲にしたいところでしたが、今回はストリーミングで1曲を選ぶ意味で、本国ではシングルカットもされた「Rosanna」をピックアップしました!
マリオの奏でる哀愁を芳醇に帯びたメロディの調べは、ほぼ演歌の世界に足を突っ込むほどのクサメロで、日本人の琴線を直接刺激してくれます。他の曲もそうですが、日本ではほぼ見られない南十字星を眺めながら聴ければ素晴らしいでしょうね。
ぜひ一度、聴いてみてください!