※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2022年2月9日、メロディアス・ハード・ロック・プロジェクト、キメラ(KHYMERA)の約3年ぶり6枚目アルバム『Hold Your Ground』がリリースされました。
各種サブスクでHM/HR系の新譜の通知が来ると、7割方はイタリア・フロンティアーズ関連の作品だったりします。日本盤が出てようと惜しげもなく新譜をストリーミング解禁してくれる、サブスク派にはありがたいレーベルのひとつですけど、このキメラに至っては、なんと日本盤の発売日が2月22日と約2週間後!
CD価格も3000円とお高くなってますし、いくらボーナストラック(しかもアコギヴァージョンですか、、)があるといっても、こういう状況になってくると、相当なマニアでないとサブスクで満足して、CD購入に触手を動かさないでしょうね。。
そんなキメラは、フロンティアーズで乱立するメロハー系プロジェクトの中でも、いつの間にか老舗と言える存在になってきました。イタリアのマルチプレイヤー、ダニエレ・リヴェラーニを中心に、カンサスのスティーヴ・ウォルシュが参加するなど、プログレ風味を加えたサウンドを標榜した1作目のリリースが2003年ですから、もう20年も経過しましたか~。
2,3作目で元ピンククリーム69で数多のHM/HR系作品を手掛けるデニス・ワードが参加。4作目以降はデニス個人の嗜好を反映した、よりメロハー寄りのプロジェクトに変貌していきましたけど、キメラ名義の看板は継続されました。
今作もヴォーカル、ベース、キーボード、さらにプロデュースを担当するデニスに、サポートを加えた形で、サウンドの基本的な色合いに全く変化はありません。適度にキャッチーで抒情的なメロディとアレンジに支配された、メロハーの王道と言える鉄板の曲調が次々と展開されていきます。
とはいえ、普通に高品質な作品ながらも、逆にキメラならではの特別感がないというか、画一的なサウンドプロダクションも含めて、多少無機質にも感じるんですよね。。やはりバンドではない、スタジオだけのプロジェクトである点は、何年歴史を重ねても払拭できないのかもしれません。
Apple Musicには、3人のメンバーでの演奏シーンを収めた新譜からのMVが上がってますけど、かなりワイルドな風貌になったデニスもあまり美しい絵面ではなく(汗)、サウンドのイメージと乖離しすぎてるんですよね。。
ホント、メロハーファンとして敢えての苦言になってしまいましたが、これだけ毎回一定レベルの作品を”製造”できるチカラがあるわけですから、どこかで1点集中して、ぐうの音の出ない傑作を目指してほしいなあと思ってしまいます!
今回は3曲目に収められた哀愁を帯びたメロディと爽やかなメロディが交互に交じり合うメロハー・チューン「Hear Me Calling」をピックアップしました!ハイトーンで歌いあげるタイプではないデニスなので、メロの抑揚がそれほどなくともフックはしっかりある、こうしたタイプの曲調にマッチしていますね!
聴いてほしい度
80%
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