※生きる養分、大好物のメロハー曲を紹介していきます!
スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、イージー・アクション(EASY ACTION)が、1986年にリリースした2枚目のアルバム『That Makes One』の1曲目に収録。
80年代の北欧グラム・ロック・シーンを代表するバンドのひとつ、イージー・アクション。結成は82年と、ハノイ・ロックスともそれほど差がない、シーンの黎明期から活動しています。バンド自体は、のちにヨーロッパに加入するギタリスト、キー・マルチェロが参加していたことが、何より知られるところでしょう。
北欧グラム・ロックのマイルストーンと言える83年のデビュー作は、ジャケットに映るケバケバしいメンバーのルックスが示す通り、グラム系のど真ん中を行くような作風ですけど、キーが参加しているだけに、十分にキャッチーなハード・ロックが楽しめます。
そこから3年後、のちにショットガン・メサイアで活躍する初代ヴォーカリストのジニーからチェンジし、AOR、スウェディッシュポップのソロアーティストとしても活動していた、トミー・ニルソンを迎えて発表したのが本作でした。日本ではキーがヨーロッパに加入後の94年に、別ジャケットでようやく日本盤化されています。
キーとトミーの合体が示す通り、サウンドの方向性を典型的な北欧メロハーへと一気にシフトしました。メロハーであっても哀感を漂わす叙情性より、パンチのあるビートを効かせた、スウェディッシュポップ的な風味をより強く醸し出していますね。
今回ピックアップした「Talk of the Town」は、そんな作風のオープニングを飾るに相応しい極上のメロハー・チューンです!北欧メロハーの別バンドを想起してしまうタイトルですけど(笑)、北欧らしい透明感に満ちた雰囲気をベースに、終始奏でられるポリシンセの響きが、80年代を強く感じさせてくれます。
コーラスを効果的に使いながら、フック強めで後半しっかり転調していくサビメロや、音数や歪みを抑え、絶妙に間を生かしたアレンジも俊逸で、軽快なミドルテンポのリズムと相まって、聴くものに高揚感を与えてくれるでしょう!
昨年、アウト・オブ・ディス・ワールドで、再び優れたメロハーを生み出してくれたキーですけど、彼の非凡なる才能の原点として愛聴していきたい作品ですね!デビュー作はまだサブスク解禁されていないので、こちらも待ちたいと思います。
ぜひ、一度聴いてみてください!