※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2021年10月22日、アメリカのプログレッシヴ・メタル・バンド、 ドリーム・シアター(DREAM THEATER)が、約2年8ヶ月ぶり15枚目のアルバム『A View from the Top of the World』がリリースされました。
典型的な初期に限定したドリーム・シアターのファンである筆者は、正直言ってここ数作のドリーム・シアターの新作を、さらりとは耳にしてきたものの、通しでじっくりリピートしてまで聴いた記憶がありません(汗)。
初期作を擦り切れるほど聴き感動して、初来日公演も行ってフェイヴァリットと言えるほどハマっていたバンドなのに、ある時点からプッツリ興味が後退してしまいました。。
ケヴィン・ムーアやマイク・ポートノイが脱退し、どんどんモダンヘヴィネスをこねくり回したギターリフや、次第にハイトーンが出なくなったことに起因する、抑揚に欠いたジェイムス・ラブリエの淡白な歌メロが増えていき、正直もう新作のチェックはいいかな、、というマンネリ感を抱いてしまったんです。
そんな早い段階で”途中下車”してしまった元ファンなんですけど、8月にストリーミングで先行解禁されたリード曲「Alien」を偶然耳にしました。例によってうねうねとヘヴィなリフが続き、またこのパターンか〜、と思っていたところ、途中から視界がパッと開けるようにペトルーシの叙情的なギターフレーズがグイーンと鳴り響いた瞬間、久々に”おっ!今回は悪くないかも?”と、素直に思えたんですね。
その直感はあながち外れでなく、続いて2曲目に先行解禁された「Invisible Monster」を聴いても、同じような感覚を抱きました。ヘヴィネスな要素はあっても、程よく緊張感のあるヘヴィさで心地よいですし、何よりサウンドのボトムが少し軽くなった印象で、初期ファンでも、随所に悪くないと思える感触やメロディが戻ってきたと言えます。
なかなか言葉で表すのが難しいんですけど、ヘヴィネスパートが永遠と続くのでなく、退屈な手前でアップテンポに持っていったり、メロディアスな旋律をきっちり盛り込んだりと、かつてドリーム・シアターで好きだった雰囲気が随所に感じられて、意外にも最後まで一気に聴けましたし、リピしたくなる曲もありましたね〜。
20分超えの大作が最後に収められてますけど、これは特に感動をもたらしてくれるほどでもなく(汗)、こんなに長尺でなくても〜と正直思いますし、冗長なパートや歌メロもまだ撲滅されてませんが、それでも十分に及第点をつけられる内容でしょう!
あのドラムオーディションから早11年が経ち、マイク・マンジーニもすっかり馴染んでますし、「Alien」のドラムカムをいち早くYouTubeで公開した試みも、アルバムへの興味を継続させる意味で良かったですね。
今作は、ペトルーシ自身がプロデュースし、自身のスタジオである”Dream Theater Headquarters”で、コロナ禍にレコーディングを続けたようです。困難な状況でも、よりリラックスした環境で、じっくり作品創りに打ち込んだことが功を奏したのかもしれません。ミックスはお馴染みアンディ・スニープが担当しています。
今回はアルバムから一番気に入った、比較的コンパクトな「Transcending Time」をピックアップしました!尺も比較的短めですけど、作品中最もキャッチー、ポップとさえ言いたくなるフィーリングを漂わせた優しい色合いのナンバーで、個人的にはこうした路線は嬉しいですね。語弊があるかもですけど、最初聴いた時に、フェイツ・ウォーニングの「Eye to Eye」にちょっと似てるかも?と思ってしまいました。つまりは良曲に間違いありません!
聴いてほしい度
84%
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