※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2024年1月17日、カナダのヘヴィ・メタル・バンド、ストライカー(STRIKER)の約5年ぶり通算8枚目のアルバム『Ultra Power』がリリースされました。
カナダはエドモンドで2007年に結成。いわゆるNWOTHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・トラディショナル・ヘヴィ・メタル)の一翼を担う有望格として、そのキャリアを築いてきたストライカーから久々に新しい音源が届きました。
2009年の初音源以来、短いスパンで次々と音源リリースを重ねてきただけに、かなりお久しぶりな感覚を受けます。その間では2020年に本国カナダのグラミーにあたるジュノー賞のヘヴィメタルアルバム部門に、前作『Play to Win』が輝くなど、本国での評価を確立していますね。
これまでのアルバムで順当な成長ぶりを見せつけてきたストライカーですから、まず期待を裏切る作品はないだろうと想像できますが、そのタイトル通り、ハイパワー全開で実にハイクオリティなヘヴィ・メタルをたっぷりと聴かせる力作に仕上がりました。
今作のクレジットでは、ダン・クレアリー(Vo)、ジョン・サイモン・ファロン(G)、ティム・ブラウン(G)に加え、日本通というピート・クラッセン(B)が参加。ドラマーは正式メンバーがおらずクレジットはありませんね。
今回のジャケットもそうですが、アー写や先行のMVを見ての通り、各メンバーは人を食ったようなメタルらしからぬカラフルなコスチュームと風貌になっていますね。その見た目のイメージが連想させますが、あくまでもトラディッショナルで王道のパワー・メタルを基盤にしつつも、曲ごとでカラフルな味付けがなされています。
デジタル風味の今風メタルの打ち込みを導入したり、サックス奏者のプレイをフィーチャーしたり、メロハーかと思えるキャッチーな雰囲気を取り入れたりと、ごった煮感ともいえる要素が混在していますね。
初期から中期に聴かせてくれた、王道パワーメタルにフォーカスした音像を愛したファンであれば、こうした順当な変化を良しとしないでしょうね。このなんでもこなす「こなれ感」が逆に鼻につくHM/HRファンもいるかもしれません。
それでも、楽曲、パフォーマンス、サウンドプロダクションなどひっくるめて、そうしたネガティヴな意見をねじ伏せるほどだけの、相当にハイクオリティなメタル作品であるのは間違いないでしょう。むしろこの内容でメジャーが手を出さないのは、カナダのバンドゆえの悲運でしょうか?
どれも楽しめるアルバムですけど、今回は1曲目の挨拶代わりの疾走パワー・メタル・チューン「Circle of Evil」をピックアップしました!この曲調なら初期からのファンも納得できそうですね!
聴いてほしい度
88%
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