※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します！
2024年1月19日、スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、グランド（GRAND）の約1年1か月ぶり2枚目のアルバム『Second To None』がリリースされました。
2020年にストックホルムで結成されたメロハーには珍しい？トリオ編成のグランド。2021年にフロンティアーズと契約し、2022年にセルフタイトルを冠したデビュー作をリリースしてたことは、メロハーマニアの記憶に新しいかもしれません。
バッタもんのAORコンピみたいな安っぽいジャケット（汗）に失笑させられたものの、中身の方は至極真っ当なもの。デビュー作とは思えぬ完成度の高いAOR色強めのメロハーサウンドに彩られており、大量リリースで埋もれがちなフロンティアーズ関連では、掘り出し物的なアルバムとなりました。
ありがちなプロジェクト的なものではなく、バンドとして胎動していき、もしも遠い未来に次作が出るようなら期待できるかも？と思っていたら、まさかの1年ちょいの短いスパンで新作が登場！ということで、メロハーマニアには嬉しい展開ですよね～。
メンバーを整理すると、マティアス・オロフソン（Vo）、ヤコブ・スヴェンソン（G、Key）、アントン・マルティネス・マッツ（Ds）のトリオ。マティアスは20年近くに渡り、プロのシンガーソングライターとしてのキャリアを持ち、プロデュースも務めるヤコブは、新世代北欧メロハーで知られるウィゲリウスにも在籍していました。
しっかりとした各人のキャリアに裏打ちされている通り、今作も前作の延長線上にある、極上のメロハーワールドをたっぷりと堪能させてくれます。デビュー作からタイミングを空けないリリースだけに、1枚目の制作時と重なる楽曲があるかもですけど、聴感上はよりパワフルでエッジの効いた印象を受けます。
とはいえ、あくまでもマティアスの甘く透明感のあるハイトーンボイスが前面に押し出されており、前作で受けた好印象をさらに広げてくれる音像で、前作を気に入ったファンが納得する仕上がりなのは間違いないでしょう。
ひとつだけ苦言を呈すると、、、デビュー作も同様だったんですが、似合わぬヘヴィに寄せてメロディが希薄な捨て曲が、今回も2,3散見されるんですよね～（メロハーファンならどれか一聴瞭然？）。う～ん、何とももったいない！そのぶん、オススメ度は多少下がってしまいます。。
まあ80年代、90年代のメロハー有名作でも、意外と捨て曲が多かったりするので贅沢な悩みかもしれませんけど、ここまでぎっしりとメロディアスな佳曲を多く揃えたアルバムを作ってくれたなら、より完璧に仕上げてほしかったと、贅沢な悩みを感じた次第です。
すなわち、1枚目と2枚目のベスト曲を厳選して1枚作っていたら、おすすめ度90％超えの、メロハーとしては名作レベルの作品に仕上がっていたでしょう。ストリーミングにソングリストを作って試してみようと思います（笑）。
スウェーデンの女性ミュージカルスターとのデュエットとサックスの間奏が光る、レーベル一押しの「Kryptonite」（MVがApple Musicにアップされてますね）もいいんですが、今回は冒頭3曲に渡る、怒涛のメロハー波状攻撃の中から「When We Were Young」をピックアップしました！
ステージ・ドールズの名曲「Love Cries」に似たギターリフをベースに（中間部はTOTOかな？）、キラキラとした爽快なシンセの響きと、マティアスが歌う哀愁と未来への希望を灯すポジティヴさを同居させたフックのある美旋律が、メロハーマニアを夢見心地に誘う逸品ですね！1曲目に一番強い曲を持ってくるのは大正解でしょう。こちらもApple MusicにMVがアップされています。
7月に開催されるスウェーデンのマルメフェスでの初ライヴを行うとのことで、ライヴバンドとしての胎動も期待したいところです！
聴いてほしい度
86％
- provided courtesy of iTunes
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