※まさにHM/HRの黄金時代、80年代を彩った楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、ベニー・アンド・ザ・ジェッツ(BENNIE AND THE JETS)が2022年にリリースした1枚目のアルバム『 Lipstick And Leather』の4曲目に収録。
アメリカの80s発掘特化型レーベル、メタリック・ブルー・レコーズ関連のモノはすでに幾つかご紹介していますが、この知る人ぞ知るベニー・アンド・ザ・ジェッツも同レーベルからで、輸入盤マニアにちょっとした話題になりました。
リリースは最近ですが実際の録音は80年代前半で、完全にお蔵入りして世に出ていなかった音源なんですね。それが40年ほど経って日の目を見たわけですが、ここに収められた2曲「Lipstick And Leather」「Do You Know」は、HM/HRファンならピンとくるタイトルかもしれません。
「Do You Know」はタイトルを「I'll Keep on Believing (Do You Know)」と変えていますが、2曲ともつい先日、来日公演を終えたY&Tの1984年のアルバム『In Rock We Trust』に収められた楽曲です。Y&T側がベニー・アンド・ザ・ジェッツを率いるソングライターのベニー・ラバージによって録音された音源を気に入って権利の半分を買い取り、リメイクが実現したんですね。
Y&Tにとっては音楽性を大きく変化させて勝負に出た出世作。その中のリード的な楽曲のひとつですから、もしこのリメイクがなければアルバムの方向性は違ったものになったかも?しれません。
そうしたやり取りからわかるように、ベニー・アンド・ザ・ジェッツはY&TがまだYESTERDAY AND TODAYと名乗っていた時代から、バンド名やメンバーを変えつつ西海岸のライヴシーンで活動していました。
関連した主なメンバーでは、アルド・ノヴァ他でのちに活動するケヴィン・カールソン(G)やエリック・マーティン・バンドやテスラで知られるトロイ・ロケッタ(Ds)が挙げられますが、歴代関わってきたメンバーから辿ると、色んなバンドに行きつきそうですね。
発掘、発表された音源はヘアメタルブーム勃発前夜だけに、未完成で古さを感じさせるものですけど、アメリカン・ハードの王道をいくサウンドやメロディセンスには光るものがあります。もしメジャー契約を獲得できたなら、日本でも知られる存在になったかもしれませんね。
今回はやはり、Y&Tに提供した2曲のうちから「Do You Know」の方をピックアップしました!哀感と力強さを内容したメロディラインなど、すでに原曲が完成の域に達しているのがわかります。Y&Tヴァージョンでは新たにフックの強いサビメロを付加しているのが確認でき、メジャーで楽曲がどのように変化したのかが知れるのも興味深いですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!