※これぞ80s!のイメージなヘア/グラム/LAメタル系を紹介していきます。
アメリカのハード・ロック・バンド、ロック・シティ・エンジェルズ(ROCK CITY ANGELS)が、1988年にリリースした1枚目のアルバム『Young Man's Blues』の1曲目に収録。
ガンズ・アンド・ローゼズの空前の成功によって、雨後のタケノコのように登場したバッドボーイズ・ロックンロール系のバンド群ですが、中でもガンズと同じゲフィンから鳴り物入りでデビューしたロック・シティ・エンジェルスは、次なる大物感を醸し出していましたね。日本でもそこそこ専門媒体でプッシュされていた記憶があります。
能天気でポップなヘア・グラムメタルのバンド群とは真逆に、ロックンロールのルーツを追求するかのごとく、ブギを主体した渋めのブルージーなサウンドを奏でました。
とはいえ、シンガーのボビー・デュランゴの風貌からしてグラムロック風でしたし、ヘア・グラムメタルに対峙するというよりは、そこから陸続きで派生した存在と言えるでしょう。実際、本国ではグラムメタルの一群として語られることも多いですので、今回はヘア・グラムの括りでご紹介してます。
前身バンドの結成は81年に遡り、ロック・シティ・エンジェルスに名前を変え、ハードコアパンクとグラムロックを混ぜたようなサウンドスタイルでした。南フロリダで一定の人気を博すもラインナップが安定せず、解散の危機に瀕した寸前にレコード契約の話が飛び込み、LAに拠点を移しています。ここで加入したのが俳優で売れる前のジョニー・デップで、86年から短期間ですがリズムギターを担当しました。
今回ピックアップした「Deep Inside My Heart」は、アルバムのオープニングを飾るリードトラックで、典型的なブギ風味のギターリフの入りからして、新人とは思えない渋さを満点のハード・ロックンロール・チューンです!
よくラジオでかかっていたので、久々にストリーミングで聴くと懐かしいですね〜。貫禄すら感じるバンドアンサンブルもお見事ですが、味わいの塊のようなボビーのザラついた野太いヴォイスこそ、このバンドの魅力の根源と言えるでしょう。
ロック・シティ・エンジェルス自体は時代に翻弄されるように、90年代に入り活動の停止し、2012年にボビーは残念ながらすでに他界していますが、落ち着いて再評価したいバンドですね。