Streaming for METAL !

音楽ストリーミングサービス・サブスクで、ヘヴィ・メタル、ハード・ロックを味わい尽くそう!

【新作レビュー】 タラス(TALAS)『1985』

※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!

 

2022年9月23日、アメリカのハード・ロック・バンド、タラス(TALAS)の3枚目のニュー・アルバム『1985』がリリースされました。

 

タラス名義のスタジオアルバムとしては、82年の2枚目『Sink Your Teeth into That』以来、実に40年ぶり!の最新作ですか〜。その後のライヴアルバム『Live Speed On Ice』からも38年が経過しているとは、いやはや時が経つのは早いですね。。

 

それにしても、令和の時代にまさかタラスの新作が聴けるとは思いませんでした。80年代当時にリアルタイムでビリー・シーンを見てきたHM/HRファンにとって、ビリーといえばミスター・ビッグではなく、やっぱりタラスでしょう(笑)

 

そのくらいビリーが登場した当時の衝撃は強烈なものがありました。ベース版エディ・ヴァン・ヘイレン!みたいなキャッチフレーズが踊るのを見て、本当かよ?と疑ってたんですが、いざそのプレイを見聴きすると、想像のさらに上をいく凄まじさで、、タラスを通じてHM/HRのベーシストに対する概念が変わりましたからね。

 

当時はタラスとしての次なる展開を期待していたところ、まさかのデヴィッド・リー・ロスのバンドへの抜擢が発表され、、タラスとしての活動は志半ばで終わってしまいました。

 

ビリーの実力に見合った、よりメジャーシーンへの進出は、それはそれで楽しめたものの、ホワイトスネイクにエイドリアン・ヴァンデンバーグが加入した時と同じように、元のバンドがなくなってしまう点では残念な気持ちになりましたね〜。

 

そんなぷっつり途絶えた歴史が突然動いたわけで、タイトルの『1985』と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的な世界観のジャケットデザインが示す通り、あの良き時代にやり残した音楽を、ただ立ち返り懐かしむだけでなく完遂しにきた決意を感じさせます。

 

メンバーはギタリスト以外は『Live Speed On Ice』の布陣が揃っていますが、ヴォーカルのフィル・ナロは、残念ながら2021年に亡くなっており、その前に録音が終わっていたことも、ある意味で作品にドラマ性を付加しています。

 

一聴して良いなあと思えたのは、勢いとグルーヴ、疾走するようなドライヴ感ですね。落ち着いた円熟味よりも、未だバンドにフレッシュさを与えているのは、80年代当時に書かれた楽曲がズラリ揃っているからでしょう。唯一最近書かれた「Black And Blue」だけ妙にレイドバックしているので、その差は歴然です。

 

それにしても、ポリスの「Roxene」のメタルヴァージョンみたいな「Crystal Clear」をはじめ、『Live Speed On Ice』収録の楽曲が数曲入っていますけど、ようやくスタジオヴァージョン、しかも現代の高音質で聴けるのは嬉しいことですね〜。

 

全てが既発曲なら、単なるリレコーディングヴァージョンとして、よくある企画になってしまいますが、お披露目されていなかった当時の楽曲も含め収録されているので、順調に活動していたら『Sink Your Teeth into That』の次にリリースされたであろう幻の作品が、ようやく完成の陽の目を見たと、しっかり認識させてくれます。

 

今回はストリーミングで聴いて、オープニングからいきなりガツンとやられた「Inner Mounting Flame」をピックアップしました!うねりながらもグイグイと疾走していく曲調が文句なしにクールですね。

 

『Live Speed On Ice』の収録曲ですが、雲が取れたようにクリアかつ現代らしい太くタイトなプロダクションで聴けるのは最高です。ビリーのベースのブリブリ具合も、目立ち過ぎず引っ込み過ぎず程よく、タラスのサウンドにおける相性の良さを改めて認識させてくれます!

 

聴いてほしい度

80

Inner Mounting Flame

Inner Mounting Flame

  • Talas
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバムはこちら!

 

1985

1985

  • Talas
  • ロック
  • ¥1630