※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
イギリスのハード・ロック・トリオ、ベック・ボガート&アピス(Beck Bogert & Appice)が、1973年にリリースした1枚目のアルバム『Beck Bogert & Appice』の2曲目に収録。
今年はオジー・オズボーンとの共演でHM/HRファンにも話題をふり撒いたジェフ・ベックですが、最もハード・ロック・ギタリストに接近した作品のひとつが、ベック・ボガード&アピスですね。
元々はボガートとアピスのリズム隊に惚れ込んだベック自身が、60年代末期からバンド結成を模索していましたが、自身の事故により、先にカクタスが結成されてしまいました。それでも後にカクタス、第2期ジェフ・ベック・グループの解散タイミングが合致し、他のメンバーを加えた編成が画策されつつも、最終的にはトリオでの始動が実現したんですね。
最高のプレイヤー3人の合体により、ジミヘンやクリームの流れを汲む、史上最高のロック・トリオのひとつと称されていますが、火を吹くようなインタープレイの魅力はもちろん、バラードタイプの静かめなナンバーでの味わい深いプレイも含めて、最小編成のロックのダイナミズムをこれでもかと伝えてくれます。
今回ピックアップした「Lady」は、有名曲「Superstition」と並び、3人が放出する凄みを激しい演奏でまざまざと見せつけてくれるハード・ロック・チューンです!
アピスが叩き出す生き生きと跳ねたリズムと、ボカートの動きまくるベースラインの絡みは、圧巻の一言!御大ベックも2人に対峙するように勝負を挑む様は、パワートリオならではの醍醐味と言えるでしょう。フィンガーピッキングで繊細にプレイする昨今のベックとは異なり、ロックギターの王道を行く骨太なプレイが存分に堪能できます。
何より、3人が楽しんで自由気ままに音楽をクリエイトしているのがひしひしと感じられる言えるか、スリリングな緊張感よりも、むしろ開放的な爽快感すら与えてくれる点もいいですね〜。
結局、本作1枚、ライヴ・イン・ジャパン1枚を残し、空中分解してしまいましたが、わずか3年と短期間しか活動しなかった事実も、ベック・ボガート&アピスが伝説のトリオになった所以でしょう。
ストリーミングに多くの音源をアップしてくれているベックですが、現時点ではスタジオ作のみの解禁になっています。
ぜひ、一度聴いてみてください!