※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
イギリスのハード・ロック・バンド、ジェフ・ベック・グループ(Jeff Beck Group)が、1971年にリリースした第2期として1枚目のアルバム『Rough and Lady』の1曲目に収録。
今週から来週にかけては、ジェフ・ベックを追悼して、ストリーミングで聴ける楽曲をいくつかご紹介していきます。
ブリティッシュ・ハード・ロックの確かな礎を築いた第1期ジェフ・ベック・グループでしたが、結局バンド内のゴタゴタが続き短命に終わってしまいます。ジェフがバンドを解散させたのが、出演予定のあった伝説のウッドストックの前日というんですから、凄いエピソードですよね。ジェフ自身もこれについては少々後悔していたようです。
その後ジェフは交通事故に遭うなど不運に見舞われますが、70年代に入り、ジェフは新たなメンバーとして、クライヴ・チャーマン(B)、コージー・パウエル(Ds)、マックス・ミドルトン(Key)を集めます。最後にロンドンのソーホーにあるジャズクラブ、ロニースコッツ(ジェフも後年ライブを行いましたね)でボブ・テンチ(Vo、G)に声をかけ、第2期ジェフ・ベック・グループの面子が揃いました。
第2期の2枚のジャケットは、ベック史上で珍しくメンバー5人の画像が均等に配置されていますし、そうした意味ではもっともバンド感が強かった時期と言えるでしょう。
黒人アーティストであるボブ、クライヴを選んだことからわかるように、ここではブラック・ミュージックの影響が如実にサウンドに現れています。ソウルフルでファンクなテイストを感じさせるロックは、ベックの創造する音楽が新たなフェイズに入ったことを主張しているかのようです。
HM/HRファンにとっては、コージーとジェフの共演!という激アツな点で、第2期をベックのキャリアの中でもとりわけフェイバリットに挙げる方も多いでしょう。特に名演「Definitely Maybe」が収録された2枚目、通称「オレンジアルバム」は人気が高いですね。
個人的には第1期と打って変わった方向性がよりわかりやすい1枚目の方が、むしろ好みかもしれません。今回ピックアップした「Got the Feeling」は、コージーのオカズから幕を開ける、ファンキーでノリのよい黒っぽさ全開のロック・チューンです!
ボブの本格的でソウルフルな歌唱が、楽曲の色合いを決定づけていますね。ジェフのワウをかけたバッキングは心地良いですし、絡みつくスライドプレイもハマっています。何より5人が織りなすバンドとしての一体感が素晴らしいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!