イギリスのベーシスト、モー・フォスター(Mo Foster)が、2023年7月3日、78歳で亡くなりました。
伝説的なベーシストの訃報が届きました。がんを患っていたようで、昨今のロック系のアーティストから見ると正常な年齢に感じるかもしれませんが、やはり早すぎる死に変わりありません。
セッションベーシストとして1960年代からスタジオとライヴ両面で、数々の名演を残してきたモーですが、そのリストとジャンルの幅広さを見るだけで、いかにアーティストとして信頼を受けていたか一目瞭然です。
その数は80以上の有名アーティストと350以上のレコーディングやセッションに及ぶというんですから、その全貌すら把握できません。HM/HR目線でいうと、マイケル・シェンカー、ジェフ・ベック、ブライアン・メイ、ゲイリー・ムーア辺りの名前に、まずはピンとくるでしょう。
個人的には、以前のブログでも楽曲紹介していましたが、マイケル・シェンカー・グループの不朽の名作『The Michael Schenker Group 』とジェフ・ベックのこれまた名作『There and Back』の2枚に尽きますね。
どちらもサイモン・フィリップスと最強のリズム隊を組み、2人の名ギタリストと史上に残る名演を繰り広げられいます。この2枚のプレイを聴くだけで、モーがいかに優れたベーシストであるか、容易に理解できるはずです。
自身のバンドとしては、68年から活動したジャズ/プログレッシヴ・ロック・バンド、アフィニティーでの活動が知られています。正直これまであまり意識したことはなかったんですが、ベーシストとしての顔だけでなく、マルチに楽器をこなし、プロデューサー、作曲家、作家をはじめ、多方面の才能を発揮していたようですね。
追悼の1曲は、当然マイケル・シェンカー・グループから、不朽の名曲「Into the Aerna」をピックアップしてみました。HM/HRのインストゥルメンタルとしては、人生で一番聴いたかもしれない説明不要の1曲ですが、モーのベースプレイの神髄が味わえる、まさに名演ですね。あの中間部のベースソロが、この曲におけるなくてはならない重要なパーツだったことは間違いありません。今日はいつもより少しベースを意識して聴き直してみたいと思います。
R.I.P. Mo Foster