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【楽曲紹介】シャー(SHAH)「Total Devastation」

※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。

 

ロシアのスラッシュ・メタル・バンド、シャー(SHAH)が、ソ連時代の1989年にリリースした1枚目のアルバム『Beware』の1曲目に収録。

 

前回のスラッシュ括りでシャーの最新作をご紹介した流れで、今回はSpodifyだけにこっそりアップされてた、懐かしのデビュー作の方をいってみましょう〜。

特にシャーに拘っているわけじゃないんですが(笑)、目下の最新作が予想を裏切る良さだったのと、昨今のロシアを巡る世界情勢を見ていると、メタルが世界平和の少しでも一助にならないかなあと言う思いがして、むしろロシアのメタルバンドにも改めて興味を抱いています。

 

さて、シャーの歴史を改めて紐解くと、86年に今も活動を続けるギターのアントン・ガルシアらを中心にモスクワで結成されています。ちょうどペレストロイカやグラスノチスといったソ連の大改革が始まり、西側のロックの流入が盛んになった頃と重なりますね。

 

それでもシャーが凄いのが、ロックバンドが転じて、ハード・ロックからメタルになったわけではなく、最初からスラッシュ・メタル・バンドを標榜していた事実です。しかも、当時は当たり前だったロシア語ではなく英語で歌唱、録音を果敢に行った点も評価されるべきでしょう。

 

高い実力に加えそうした海外志向が功を奏し、ドイツのATOM-Hと契約にこぎつけ、ドイツレコーディングも敢行しています。伝説のモスクワ・ミュージック・ピース・フェスティバルの前の動きですから、これもいかに早いタイミングかわかりますよね。

 

そして、ATOM-Hからのライセンスで、日本でもテイチクから『Beware』のまさかの日本盤がリリースされたわけです。今回はピックアップした「Total Devastation」は、そのオープニングを飾るにふさわしいスラッシュ純度100%のメタル・チューンです!

 

ザックザクにこれでもかと刻み込まれるスラッシュリフ攻撃の心地よいこと!スラッシュに対する初期衝動の高さが半端なく全編に溢れていて、それが音に込められているように聴こえるんですね。

 

モコモコした音質でB級感は否めませんが、プレイアビリティと楽曲の構成力の高さはジャーマンやベイエリア系のスラッシャーにも引けを取りません。どこかユナイテッドの古井を彷彿とさせるアントンのヴォーカルもいい雰囲気を醸し出しています。

 

Spofityには他のアルバムもアップされているので、ロシアンメタルの歴史を振り返る上でも試してほしいですね。

 

ぜひ、一度聴いてみてください!