※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
ドイツのスラッシュ・メタル・バンド、アキューザー(ACCUSER)が、1989年にリリースした2枚目のアルバム『Who Dominates Who?』の1曲目に収録。
ド中西部クロイツタール出身のアキューザーは、結成が1980年代初頭に遡る老舗ジャーマン・スラッシャーです。ソドムやデストラクションといった有名どころと変わらない時代から活動しているにも関わらず、スラッシュマニア御用達のイメージは拭えない存在でしょう。
それでも本国では、結成以来それなりに知名度を高めていきました。まずは制作したデモが評価され1986年にAtom Hと契約を果たします。Atom Hは1993年に消滅してしまったドイツのレーベルですけど、日本ではテイチクがライセンスしてプロテクター、シャー、STS8ミッションなど懐かしいバンドをリリースしていたので、当時のメタルマニアにはお馴染みかもしれません。
1987年にはデビュー・フル・アルバム『The Conviction』をリリース。未完成ながらも初期衝動と突進力のあるスラッシュを聴かせて、シーンに頭角を現しました。さらにサウンドプロダクションを向上させ、整合性と楽曲の構成力を増し、クオリティを高めたのが本作でした。
前述したテイチクからの日本デビューは、1991年の次作『Double Talk』で実現しました。筆者も初めてアキューザーを聴いたのは、この日本盤でしたね。ここでは分厚さが増し、緩急をつけたサウンドを披露。初期の最高作の位置づけかもしれませんが、個人的には2枚目のサウンドバランスや楽曲が一番しっくりきますね。
アキューザーはジャーマンスラッシュの一角ではあるものの、ヨーロッパのバンドらしい陰影のある音像よりも、テスタメントやエクソダスといったベイエリア勢のような、切れ味あるクランチリフを推し出したスタイルが特徴といえるでしょう。
今回ピックアップした「Master Of Disaster」は、8分弱におよぶ長尺を、複雑に絡み合う構成力で一気に聴かせるスラッシュ・メタル・チューンです!正直、A級になりきれないB級特有のもどかしさを感じるのも事実ですが、スラッシュ飽和状態の当時感じた印象よりも今の方が断然よく、あと一歩で突き抜けられたのでは?と思わせてくれます。
その後、ご多分にもれずモダン路線に変更しつつ失速し、1996年から2006年まで名義を変えて活動。2008年に復活し、老舗の意地を見せて活動を続けています。
ぜひ、一度聴いてみてください!