※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、アナクルーシス(ANACRUSIS)が、1990年にリリースした2枚目のアルバム『Reason』の2曲目に収録。
中西部のミズーリ州セントルイス出身で1986年に結成された4人組、アナクルーシス。スラッシュにプログレ風の複雑な要素を、高度な技巧でミックスさせる実験的なサウンドを標榜。いわゆるテクニカル・スラッシュの黎明期を飾ったバンドのひとつとして知られていますね。
「アナクルーシス」という変わった名称は音楽用語で、アクセントの前にある準備をする段階を指しており、一種の緊張した状態を表現していると言えそうです。彼らの緊張感のある音楽性を表すには、ぴったりなネーミングですね。
1987年のファーストデモが評判を呼んだことで、UKのインディーレーベルと契約を獲得し、1988年にはデビューアルバム『Suffering Hour』をリリース。低予算でチープなサウンドながらも、個性的なスタイルの礎が伺えます。
余勢をかって翌年にリリースされたのが、本作『Reason』でした。いまだサウンドのぺらっぺらさは否めませんけど、テクニカルで変態チック、一言で表現しがたいスラッシュサウンドに完全フォーカスし、その独自性を確立しました。
このアルバムへの一定の評価により、次作はメタルブレイドと契約。プロダクションのクオリティも上がり、一般的な最高傑作としては4枚目の『Screams And Whispers』を挙げるマニアも多いでしょう。ただ、初期衝動が継続した激音ぶりと、スラッシュ成分の強さという点で、音質と未熟さに目をつむれば本作辺りのバランスが悪くないと思います!
今回ピックアップした「Terrified」は、いかにも変態なリフレインと、コロコロとリズムチェンジを繰り返しながら、予測不能な展開で激走するテクニカル・スラッシュ・メタル・チューンです!
まだまだやりたいことに技量が追いついていない、消化不良感は否めませんが、スラッシュの発展形として、80年代末期の時点でこうしたサウンドをクリエイトした先駆性は光っていますね~。
バンドは1993年に解散し、2009年に再結成して散発的に活動しています。2010年の初期曲再録盤では、プロダクションも演奏も改善。ストリーミングでも聴けるので、オリジナルが厳しい場合はこちらがおススメです!
ぜひ、一度聴いてみてください!