※タイトルに「METAL(メタル)」のワードが入った楽曲を紹介していきます!
ポーランドのスピード / スラッシュ・メタル・バンド、KAT(カット)が、1986年にリリースした1枚目のアルバム『Metal and Hell』の1曲目に収録。
こちらは、あの狂気の光速ギタリストKAT嬢の方ではありません(笑)。「カット」、もしくは「キャット」と表記するのが正しいんでしょうか??ポーランド南部のカトワイス出身のKATは、結成が79年にまで遡ります。NWOBHMと重なるぐらいのタイミングで、ポリッシュメタルのまさに最古参のひとつといえるでしょう。
当時の状況はまだ冷戦下ですから、東欧におけるこの手のメタルバンドとしてもパイオニア的な存在のひとつですね。当初はサバスなど70年代のハード・ロックの流れを汲み音を出していたようですが、81年には初音源をリリース。国内を中心に活動を続ける中で、次第に激しさを増したメタルを標榜するようになりました。
そのひとつの帰着として生み出されたのが、このデビュー作でした。ストリーミングでクレジットを見ると、ポーランドのレーベル、メタルマインドプロダクションズの再発音源が使われていますね。
今回はメタルタイトル括りでピックアップした、アルバムのタイトルでもある「Metal and Hell」は、チリチリとしたギターの刻みに導かれ、一気呵成に爆走しまくるスラッシュ・メタル・チューンです!
正直いってサウンドプロダクションもそこそこで、演奏にせよ楽曲にせよ全般にB級臭がプンプン漂ってきますけど、このメタルに拘るアティテュードは決して憎めません。ちょっとブラック・メタルの原点的なメンバーの風貌やジャケットのアートワークもサウンドを物語るようです。
何より、当時の東欧圏での抑圧されたゆえと思わせる初期衝動の強さは、西側のバンドをも凌駕していますよね〜。この時代に東欧でこれだけ本格的な激しいメタルを奏でていたのは驚異的で、国内ではメタリカやランニング・ワイルドら有名バンドのサポートを行っていたようですね。
音源もかなりの数をリリースしていますが、のちの同郷のヴェイダーらの始祖として、歴史的な価値も加味しながら味わいたいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!