※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、ラスチャイルド・アメリカ(WRATHCHILD AMERICA)が、1989年にリリースした1枚目のアルバム『Climbin' the Walls』の1曲目に収録。
80sのスラッシュムーブメントが成熟していく中で、スラッシュの定型的な範疇を超えて、様々な試みを行うバンドが出てきますが、ラスチャイルド・アメリカは、そうしたチャレンジングなサウンドの構築を標榜したバンドのひとつでした。
もともとラスチャイルド・アメリカは、78年に東部のウエストヴァージニアでアトランティスというバンド名義で結成されたのがルーツになります。その後、ラスチャイルド名義で精力的なライヴをはじめとする活動が実を結び、アトランティックとの契約を獲得します。
ところがご存じの通り、同盟異バンドのイギリスのグラムメタラーが先に活動していたため裁判沙汰に巻き込まれ、デビューが延期になってしまいます。結局名義をラスチャイルド・アメリカに変更することで問題を解決したわけで、X-JAPANの改名と同パターンですね。
迷路に迷い込んだイラストのジャケットが印象的なデビューアルバムは、スラッシュらしいキレのあるクランチリフや疾走感を基軸に置きながらも、起伏やジャンルをも跨ぐボーダレスで挑戦的なサウンドが繰り広げられています。
今回ピックアップした「Climbin' the Walls」は、タイトル曲にふさわしく、ラスチャイルド・アメリカらしい雑多な要素を全部混ぜ込んだごった煮スタイルのスラッシュ・メタル・チューンです!
スラッシュ&パワー・メタル的なイントロからしっかりとした歌い上げる歌メロ入ると、突如リズミカルなハードロックンロール風に。シンガロングできるサビから劇的メロディックなリードギターの乱舞への移行し、ブルージー?なスローパートを挟み、最後は激速スラッシュで大団円を迎えます
文字で書くと意味不明なんですけど(笑)、ジャケのイメージそのままに迷宮に迷い込んだような構成が面白いですね~。正直そこまで練り切れていない面も散見されますけど、ユニークさという点では十分にスラッシュ・シーンに足跡を残したバンドとして、いまだ一聴の価値があると思います!
ぜひ、一度聴いてみてください!