※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、 フォースド・エントリー(FORCED ENTRY)が、1989年にリリースした1枚目のアルバム『Uncertain Future』の3曲目に収録。
フォースド・エントリーは、のちのグランジ・オルタナの発信地となる、シアトル出身のテクニカル・スラッシュ・メタル・トリオです。同郷のサンクチュアリらとともに、グランジブーム以前のシアトルにおけるスラッシュシーンを形成しました。メンバーのブラッド・ハル(G)は、再結成サンクチュアリに参加していますね。
トニー・ベンジャミンズ(Vo,B)、ブラッド、コリン・マットソン(Ds)の3人により、クリティカル・コンディション名義で1983年に結成。1986年にフォースド・エントリーに改名後、デモ数作を経てスラッシュファンにお馴染みのコンバットと契約。本デビュー作をリリースしました。
本作を80年代当時、スラッシュ関連の輸入盤LPを幅広く集めていた知人に借りたんですけど、この渦潮の呑み込まれるオジサンを描いた、何とも形容しがたいイラストのジャケを見て、よくこんなの手を出せるなあ~、と感心した覚えがあります(笑)。
これじゃあ日本盤が出ないのも無理ないかも?なんて思ってたんですけど、実際に聴いてみると、複雑に構築されたテクニカル・スラッシュで、もっとショボい音を想像してたので(笑)、レベルの高さにちょっと驚きましたね。
アルバムの楽曲はどれも一筋縄でなく、聴き手に集中力を求めるものですけど、歌メロは明確でテクニカル・スラッシュにありがちな線の細さはなく、スラッシュとしての熱いアグレッションを内容している点は特徴と言えるでしょう。
今回ピックアップした「A Look Through Glass」は、アルバム中では比較的ストレートな曲調で、疾走パートも有するスラッシュ・メタル・チューンです!他曲に比べると幾分とっつきやすいかもしれません。とはいえ、変拍子や大胆奇抜なアレンジも随所に見受けられ、フォースド・エントリーらしさは存分に感じられます。
より音楽性を広げた次作を1991年にリリースするも、1995年には活動を休止。単発の復活を挟んで、近年再び活動再開の動きがあるようで、そのおかげもありストリーミングで過去作をチェックできるのは嬉しいことですね。
ぜひ、一度聴いてみてください!