※思わず一人モッシュしたくなる!スラッシュ / デス・メタル系を紹介していきます。
アメリカのスラッシュ・メタル・バンド、ディファイアンス(DEFIANCE)が、1990年にリリースした2枚目のアルバム『Void Terra Firma』の1曲目に収録。
カリフォルニアのオークランド出身のディファイアンスは、85年に結成されたスラッシャーです。メンバーチェンジをしつつ87年にはラインアップを固め、デモを制作。これがロードランナーの目に留まってディール獲得に至りました。
ここでロードランナー側から提示されたプロデューサーが、ちょうど同レーベルからデビュー直前だったアナイアレイターのジェフ・ウォーターズでした。ジェフは1曲ゲスト参加もしてますね。
アルバムはディファイアンスの方が、アナイアレイターの『Alice in Hell』より2か月先にリリースされており、ジェフの前宣伝的なニュアンスもあったんでしょう。ほぼ同期のライバル関係のバンドメンバーに制作を任せるという、若干複雑な状況だったためか、音作りにはメンバーから不満の声が出たようです。
実際、バンドのテクニカルな演奏をクリアで聴きやすい音像にまとめてますけど、肝心のギターの音作りがスラッシュにしてはクランチも歪みも弱めで、ジェフわざと手を抜いた?(汗)と、うがった見方をしてしまうんですよね。。
結局、ジェフとはこの1枚で袂を分かち、ジョー・サトリアーニ等を手掛けたジョン・クニベルティをプロデューサーに迎えたのが、日本デビューとなった本作でした。ただし、ギターの音作りは若干改善されつつも相変わらずイマイチで、、、本人達にも問題があったように思えます。
とはいえタイトでテクニカルな演奏と、テスタメントを彷彿とさせるツボを得たソングライティングやリフワークで、ディファイアンスの最高傑作と言ってよいでしょう。アイアン・メイデンの「Killers」のカヴァー無しでも十分いけてます。
今回ピックアップした「Void Terra Firma」は、オープニングかつアルバムタイトルを冠すに相応しく、複雑なリズムチェンジを繰り返しながら疾走するスラッシュ・メタル・チューンです!
各パートが結構テクニカルなことをやってますけど、シンガロングできるパートもあり、スラッシュらしいダイナミズムとアグレッションを何より前面に押し出して突き進んでるのがいいですね!
ぜひ、一度聴いてみてください!