※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年6月20日、イギリスのメロディアス・ハード・ロック・バンド、ミッドナイト・シティ(MIDNIGHT CITY)の約3年ぶり4枚目のアルバム『In At the Deep End』がリリースされました。
小規模ながらも来日公演まで行い、日本で一定の人気を博している英国産メロハー、ミッドナイト・シティ(最近まで”ミッドナイト”の英語の綴りを勘違いしてました汗)の最新作登場です。ライヴも含めてコンスタントに活動を続ける、メロハー系では貴重な存在のひとつでしょう。
こちらは海外ではドイツのプライド&ジョイからで、メロハーとしては珍しい非フロンティアーズ系ですね。先日レビューしたインペリウムもプライド&ジョイでしたし、少数精鋭でちょっと気になるタイトルをリリースするレーベルになりつつあります。
さて、ミッドナイト・シティをおさらいすると、元タイガーテイルズ(と言っても最近のですが)のロブ・ワイルド(Vo)を中心に、元ニューマン・エデンズカースのピート・ニューデック(Ds)らにより2017年に結成されました。
ピートはプロデュースを担当するなど、ロブと並びバンドに多大な役割を果たしてきたわけですが、今作を前に脱退し、新ドラマーのライアン・ブリッグスが加入しています。今回のミックスにはヨーロッパなども担当したクリス・レイニーがクレジットされていますね。
楽曲やサウンドの方向性はデビュー作から一貫して変わらない、80sの古き良きメロハーやヘア・グラム・メタルのテイストと世界観を、現代にアップデートして甦らせており、今作でも良い意味でそうした大枠で目指す方向性にいささかの変化もありません。
ただし、ピートが脱退したことでスリージーな色合いは完全後退し、ゴージャス感とメロハー風味がより全面に押し出されてきた印象がします。わかりやすく言えば、クレイジー・リックスっぽさが後退し、デンジャー・デンジャー+デフ・レパード化したみたいな(わかりにくいですね汗)イメージになりました。
特に顕著なのがドラムの音質で、デフ・レパードみたいに無機質な印象ですし(ひょっとしてマシーンかな??)、前作までに感じられたロック本来の生々しさがほぼ感じられない部分では、評価が分かれそうです。ずっと最後まで聴いていると、ゴテゴテに装飾された音像で却って飽きがきてしまうかも?しれません。
とはいえ、曲の粒揃いは過去作を含めても1、2を争いますし、これまでのミッドナイト・シティが好きなファンの期待は、全く裏切らない内容になっているのはお見事ですね。昨今のメロハーは1、2曲だけ抜けて良くても、他曲がキビシー作品が散見される中で、これだけ全体の完成度を高めてきた点は素直に評価したいものです!
今回は3曲目に収められた「Someday」をピックアップしました!はっきり言って、デンジャー・デンジャーの「Bang Bang」を一緒に歌ってしまいましたけど(汗)、、パクリとか固いこと言わずに楽しみましょう。もし後半、メロハーお決まりの転調してくれる展開なら完璧でしたね!
聴いてほしい度
85%
アルバムはこちら!