※CDじゃなくても、ストリーミングで聴ける新作をご紹介します!
2023年5月19日、イギリスのハード・ロック・バンド、デフ・レパード(DEF LEPARD)が(ロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラ(The Royal HarmonicOrchestra)と共作したアルバム『Drastic Symphonies』がリリースされました。
2022年にリリースした目下の最新スタジオ作『Diamond Star Halos』が好評で、モトリー・クルーらとのスタジアムツアーも大成功。リック・アレンの心配な事件がありましたけど、バンドとしては新たな黄金期と言えるほど、充実した状況が続くデフ・レパードから、またひとつ興味深い音源が届きました〜。
長いですけど、デフ・レパード ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラ(DEF LEPARD with The Royal Harmonic Orchestra)名義が冠された、英国が誇る名門オーケストラとの共演作ですね〜。
オーケストラとロック、強いてはメタル系の共演や共作は、周知の通り数多繰り返されてきました。例えばイングヴェイ辺りの場合は、そもそもクラシックを取り入れた音楽性のため親和性抜群で、ある意味出来上がりも想像できましたしその通りでした(笑)。逆にメタリカ辺りの場合は、あえて静と動、真逆のものを掛け合わせた点で、これもなんとなく想定の範囲内だった気がします。
ところがデフ・レパードの場合は、オーケストラと共演??というのが意外すぎて、全く仕上がりが思い浮かびませんでした。そもそも、ロイヤルフィル側からオファーがあったようで、バンド自身にとってもこのアイデアは意外すぎたんでしょうね。ジョーのコメントを見ると、常に期待されることを敢えて裏切ってきたと言っており、このチャレンジはまたとない、良い意味でロックファンを裏切り驚かせる機会だったんでしょう。
今作はアビーロードスタジオでのレコーディングをメインに、これまでのトラックにオーケストラの音源を重ねたり、逆に一部新たなデフ・レパード側のパートを足したりと、全体を画一的に作ったのではなく、トラックごとに異なるアレンジが綿密に施されています。時間をかけて丁寧にアレンジ、制作を重ねたことが伺えますね。
色々と驚きポイントが転がってますけど、何より選曲が渋い!1曲目から『Slang』収録曲ですか〜、レップスの熱心なファンでないと何この曲?ってなりますよね。続いて『Euphoria』からだし、どーなると思いきや有名曲がバランスよく散りばめられていて、ちょっと安心かもしれません。『Diamond Star Halos』からも選曲がある辺り、その自信が伺えます。
ストリーミングで先行公開されていた「Anilmal」もなかなか斬新なアレンジでしたけど、一番ぶっ飛んだのは「Pour Some Sugar on Me (Stripped version)」「でしょうかね。メロウで壮大なバラードになっていて、もはや歌詞ぐらいしか原曲の形跡がありません(笑)
同じくストリーミングで先行公開されていた「Hysteria」辺りの、ドラムトラックを残した比較的メロディアスな楽曲は、やはり一番収まりが良いというか、オーケストラアレンジを安心して堪能できるでしょう。個人的には「Switch625」がスリリングなアレンジになっていて、映画音楽っぽくてカッコよかったですね!
あくまでも企画アルバムですけど、丁寧に練りこまれたアレンジの数々から、ただオーケストラと共演しましたという、よくありがちな自己満足作になっていない点がいいですし、原曲と改めて聴き比べるのも面白いでしょう。
今回は「Gods of War」を選んでみました!比較的原曲のトラックが多めに残っていますけど、ドラマティックな要素がオーケストラによって一気に増幅されていて、普通にこのヴァージョンの方がいいんじゃない?と思えるほどにいい感じです!
聴いてほしい度
80%
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