※古きを聴いて新しきを知る。遠い昔になった時代の楽曲を振り返ります!
アメリカのハード・ロック・バンド、キャプテン・ビヨンド(CAPTAIN BEYOND)が、1972年にリリースした1枚目のアルバム『Captain Beyond』の1曲目に収録。
「ストリーミングあるある」で、アーティスト自体はリストにあっても、肝心の重要作だけアップされてないという悲しいパターンがありますが、キャプテン・ビヨンドはまさにそれでしたね。本作だけ最後までリストに載らず、、しかも他作品のジャケが似てて間違いしそうにもなりましたが(笑)最近ようやく解禁になりました!
72年に西海岸で結成された当時のキャプテン・ビヨンドは、いわゆる当時のスーパーグループとして話題になったバンドですね。「Hush」等の歌唱でお馴染み、元ディープ・パープルのロッド・エヴァンス(Vo)、元アイアン・バタフライのラリー・リノ・ラインハルト(G)とリー・ドーマン(B)、元ジョニー・ウインター・アンドのボビー・コールドウェル(Ds)の4人組でした。
パープルを追い出されたロッドが、その意地を見せる良質なボーカルパフォーマンスと、ラリー&リーがゴリゴリに弾きまくる弦楽器隊、そして手数多めに激しく叩きまくるボビーの4人が生み出すケミストリーが最高です!
疾走感、ハード&ヘヴィネス、プログレッシヴでスペーシーなムードを兼ね備えた斬新な音像で、当時としては珍しくブルース的要素のないサウンドでした。今考えると時代を先取りしていたのかもしれませんね。
名実ともに70年代ハード・ロック史を飾る名盤でしょうし、日本ではとりわけ高く評価されていますが、欠点はイマイチなジャケットぐらいでしょうか(笑)。筆者は当然リアルタイムでなく、LPを中古盤で手に入れたのは80年代末くらいでしたけど、全く古さを感じず、今でも全13曲約35分を一気に聴けちゃいます。
今回ピックアップした「Dancing Madly Backwards (on a Sea of Air)」は、オープニングを飾るに相応しい、怒涛の勢いを持ったハード・ロック・チューンです!ヘヴィで引き摺るようなリフから、次第にテンポアップと変拍子を自在にかましながら突き進んでいく様は、時代を超越したクールなテイストを放散していますね!
組曲風に連なり進行していく楽曲が多いアルバムの中で、ここでも次曲と繋がっていますが、ストリーミングで1曲だけでも比較的聴きやすいでしょう。日本盤の邦題は「過去への乱舞(大気の海で)」で、Apple Musicの表記はなぜかこちらになっています。
ちなみに、ボビーをAORシンガーと同一人物だとしばらく勘違いしてました(汗)。
ぜひ、一度聴いてみてください!